東京・中央区にある銀座三越で22日、年に一度のチョコイベントが開幕した。バレンタインに向けて多彩な商品が揃う一方、カカオ豆の不作でチョコレートの価格は前年比約12%上昇している。店側はコスト増を抑えるため、焼き菓子との組み合わせなど新たな工夫をしている。

チョコの祭典開幕も…カカオ豆の高騰続く

止まらない価格高騰の波が、2月に迫ったバレンタインに欠かせないチョコレートにも及んでいる。

様々なチョコレートが並ぶ銀座三越
様々なチョコレートが並ぶ銀座三越
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シャインマスカットの果汁を使ったチョコレートに、見た目も華やかでお酒が入った大人な味わいなど様々なチョコレートが並んでいるのは、東京・中央区にある銀座三越だ。

23日から特設コーナーが設けられ、年に1回のチョコの祭典「銀座スイーツコレクション2025」がスタートした。このイベントは、2月14日(金)まで開催される。

記者:
オープンしてすぐなんですが、すでに長い行列が出来ています。

日本の他にフランスやベルギーなど、ここでしか買えない60種類のブランドが勢揃いしている。

記者:
すごい良い香りがします。オーブンでクッキーを焼いていますね。

2025年からは厳選したチョコレートに発酵バターを合わせた、ライブ感が味わえる焼きたてクッキーを買うことができる。

チョコレートファン歴6年:
(クッキーは)熱々でした。毎年いろんなチョコが出るので、毎年来てても楽しみ。

その一方で、次のような声も聞かれた。

チョコレートファン歴40年:
義理チョコはあげないです。もったいない。それだったら自分のものを買います。

チョコレートファン歴6年:
チョコも(価格が)上がってきているから、正直自分にお金使いたいです。

義理チョコを買うことを控えるという。

24日に発表された消費者が日常的に買う全ての商品価格の動きを表す消費者物価指数を見ると、チョコレートは前年比で12.2%も上昇している。その背景にはチョコレートの原材料、カカオ豆の高騰が影響していた。

厳選したカカオ豆を自家焙煎しているチョコレート専門店も、これから迎えるバレンタインを前に頭を悩ませている。

Minimal Chocolate・山下貴嗣代表:
(カカオ豆は)1kg3ドルぐらいだったものが、今は11~12ドルとかぐらいまで上がっているので。

深刻なチョコレート不足…企業努力で乗り切る策も

1kg約470円だったが、それが今は約1900円と約4倍にまで上昇している。

カカオの原産地・西アフリカを見舞った天候不順などの影響で、店によると世界のカカオが約3割減ったと言い、一気に高騰したという。

Minimal Chocolate・山下貴嗣代表:
10年以上カカオの豆を買い付けをしているが、この10年間では初めて。私が相場を見ている限り、おそらく史上最高の金額になっていると思います。

そのためバレンタイン用のチョコを、値上げせざるを得ない状況だという。

チョコレートのたたき売りが名物のお店にも、影響が出ている。

店員:
チョコにチョコラムネ。入れちゃえ入れちゃえ入れちゃえ。

アメ横志村商店・志村勝久さん:
2000円以上は商品を入れてるんですけど、やっぱりかさがちょっと減りますよね。20個ぐらい入っていたのが、(単価上昇で)15個12個にとかになっちゃいますよね。

こうしたチョコレートの値上がりに、企業努力で乗り切ろうとしていた。

銀座三越「銀座スイーツコレクション2025」担当・竹内理華さん:
焼き菓子にチョコレートをかけたものとか、少しチョコレートの割合を減らして、まるまる使ったチョコレートだけじゃなく、チョコレート菓子のようなものを新たに一部展開されているところもあるなと思います。
(「イット!」1月24日放送より)

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