アメリカ・ワシントンで21日、トランプ大統領は議会襲撃事件で逮捕されていた人々の恩赦や減刑を発表した。
また、女性の軍指導者を解任するなど、ジェンダー方針の転換も明らかにした。
礼拝で司教がLGBTQや移民への慈悲を訴えたが、トランプ大統領は不満をあらわにしていた。

トップスピードで政策転換…極右団体創設者ら釈放

アメリカの第2期トランプ政権が、本格的に始動した。
前政権からの政策転換をトップスピードで進めている。

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21日、ワシントンの刑務所前では釈放を待つ多くのトランプサポーターの姿があった。
トランプ大統領は、2021年のアメリカ連邦議会襲撃事件で逮捕されていた人々の恩赦や減刑を発表したが、これを受け、極右団体の創設者らの釈放が早速始まった。

FNN・千田淳一ワシントン支局長:
ーー釈放はトランプ大統領のおかげか?

極右団体創設者・スチュワート・ローズ氏:

その通りだ。出してくれた彼にもちろん感謝している。18年の刑だった。だから(本来は)まだまだ長い間刑務所にいただろう。(今後は)人生を全うしたいと思っているが、私は戦います。アメリカ第一主義を信じています。

しかし民主主義の根幹を揺るがす事件だっただけに、与党である共和党内からも反発の声が上がっている。

また議論を呼んでいるのが、DEIと呼ばれる多様性・公平性・包括性を重視する政策からの転換だ。

トランプ大統領は21日、バイデン政権時に女性で初めて軍事部門のトップとなった、沿岸警備隊のフェーガン司令官を解任した。
その理由を、「多様性などを過度に重視した」などとしている。

「大統領最後にお願いです」トランプ氏を諭す場面も

トランプ大統領は20日の就任演説で、「性別は2つしかないというのが政府の公式方針になる。男性と女性です」と宣言した。

これに対し、21日にワシントン大聖堂で行われた礼拝で、司教がトランプ大統領を諭す場面があった。

ワシントン国立大聖堂・マリアン・ブッデ司教:
大統領最後にお願いです。何百万もの人々があなたに信頼を寄せています。(国内には)LGBTQの子どもたちがいて、命の危険を感じている子もいます。神の名のもとに、今この国でおびえている人々に慈悲をお与えください。

これを聞いたトランプ大統領は、司教から目線を外した。

続けて司教は、不法移民への政策についても、こう諭した。

ワシントン国立大聖堂・マリアン・ブッデ司教:
彼らは市民権を持っていないかもしれないし、適切な書類を持っていないかもしれない。でも移民の大半は犯罪者ではない。彼らは税金を納める良き隣人です。

礼拝終了後に感想を聞かれたトランプ大統領は、不満をあらわにした。

トランプ大統領:
どう思った?気に入ったかい?刺激的だった?あまりエキサイティングではなかったんじゃない?良いサービスとは思わなかったよ。
(「イット!」1月22日放送より)

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