長野県内のガソリン価格が22週連続で全国最高値となっている。1月16日、阿部守一知事と県石油商業組合が意見交換を行った。1月14日時点の県内レギュラーガソリン1リットルあたりの平均価格は190.6円で、全国唯一の190円台となっている。県境の住民による「越県給油」が相次ぐ中、組合は「経営の統合などでコスト削減・価格抑制に向けて努力したい」と述べ、今後の対応を県と検討する姿勢を示した。
「越県給油」相次ぐ
阿部知事は「ガソリン価格の高騰について、実態、実情を把握しながら、どうすればガソリン価格を抑制できるか(意見交換したい)」と述べ、意見交換に臨んだ。
長野県内のガソリン価格は、隣県と比べると、最も安い愛知県とは15円、他の県とも10円程度の差がある。

政府は1月16日補助金を縮小した。長野市内のスタンドの多くは、15日の価格のままだったが、今後、5円程度の値上げが予想されている。
こうした状況を受け、県境の住民による「越県給油」が相次いでいる。
ある「越県給油」をするドライバーは「長野は高いので入れたくないです。やっぱり安い方がいいですね」と語った。
価格高騰の背景に複雑な要因
長野県内の価格が高い理由として、「製油所から遠く輸送コストがかかる」「中山間地が多く販売量が少ないスタンドは経営維持のため、価格に反映せざるを得ないこと」などが挙げられている。

さらに、組合からは「長野市など都市部では中山間地のスタンドを守るため価格を合わせている業者もあり価格が上がっている」との意見も出された。
経営統合でコスト削減へ
長野県石油商業組合の平林一修専務理事は「石油販売業界も1給油所、1ディーラー、非常に体質的に弱い構造になっている。協業化、集約化、M&Aで体力をつけてリーズナブルな価格を求めて努力をしていきたい」と述べ、経営統合などによるコスト削減と価格抑制への考えを示した。

長野県くらし安全・消費生活課の西川裕課長は「自助努力が必要ではないかということの中で、産業構造改革もやっていく中で県が何かできることはないか検討していく」と述べた。
県と組合は2024年度中にガソリン価格抑制のための検討会を立ち上げる予定だ。

政府による補助金縮小の影響も予想される中、長野県のガソリン価格問題の解決に向けた取り組みが注目される。
【レギュラーガソリン平均価格(円/リットル)】1月14日時点
愛知県 174.7円
埼玉県 176.8円
新潟県 178.4円
山梨県 179.6円
岐阜県 180.8円
群馬県 181.1円
富山県 181.1円
静岡県 181.5円
長野県 190.6円
全国平均 180.7円
(長野放送)