犯罪被害者や遺族を支援する取り組みについて、警察庁が行った意見募集で、DNAを使って犯人の似顔絵を作成するなど、DNA捜査の導入を求める意見が寄せられました。
犯罪被害者等基本計画は、犯罪被害者や遺族を支援するための政府の取り組みについて、具体的な計画を定めたもので、現在の第4次基本計画は2026年3月までで、2026年4月からは第5次基本計画が始まります。警察庁は第5次基本計画の策定に向けて、2024年7月から意見募集を行いました。
警察庁によりますと意見募集の結果、約400項目について要望や意見が寄せられ、「DNAを活用して犯人の似顔絵を作成するなど、DNA捜査を駆使して事件解決に繋げてほしい」との意見もありました。
アメリカでは、犯行現場などに残されたDNAから、犯人の似顔絵や家系図を作成し、多くの未解決事件が解決に至っています。一方、日本では警察によるDNA捜査について「身体的特徴や病気に関する情報を含む部分については使用しない」とされていて、DNAから犯人の似顔絵を作成することは行われていません。
2000年12月に東京・世田谷区で一家4人が殺害された世田谷一家殺害事件では、現場から犯人のDNAが採取されているにも関わらず、未解決のまま24年が経っていて、殺人事件の被害者遺族の会「宙の会」も、DNAを活用した捜査の法整備を求めています。
警察庁は16日に会議を開催し、これまでの犯罪被害者施策の進捗状況などについて話し合いを行いました。
今後は、寄せられた意見を踏まえ第5次犯罪被害者等基本計画の策定に向け、3月から専門委員会で話し合いが行われる予定です。