北海道を代表する観光名所、上川の美瑛町にある「セブンスターの木」に隣接するシラカバ並木が伐採された。観光客の増加も背景にあるが、地元からは惜しむ声があがっている。
 

美瑛町を代表する風景が_

雪と朝焼けの中で立ち並ぶ木々が織りなす幻想的な光景。1月11日に撮影された、美瑛町を代表する1枚だ。

月夜に照らされたシラカバ並木 提供:Nao Akimoto
月夜に照らされたシラカバ並木 提供:Nao Akimoto
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そしてこれは1月13日午後6時すぎ、月夜に照らされたシラカバ並木をおさめた写真。観光客におなじみの姿はこれが最後となった。
 

セブンスターの木(右)&シラカバ並木(左)
セブンスターの木(右)&シラカバ並木(左)

四季折々の景色が人気の丘の町、美瑛町。中でも1976年にたばこのパッケージに採用された「セブンスターの木」と、隣接する「シラカバ並木」は人気の観光スポットで、季節を問わず国内外から大勢の人が訪れた。

観光客のマナーも問題視される事態に
観光客のマナーも問題視される事態に

なぜ?シラカバ並木が伐採

私有地に立ち入るなどマナーも問題視される事態になっていたが、ここに衝撃が走った。

「美瑛町の有名スポット、セブンスターの木。その隣にあったシラカバ並木が切られ、いつもの風景がなくなりました」(土谷一歩カメラマン)

約40本のシラカバが伐採
約40本のシラカバが伐採

1月14日に行ってみると、そこに並木はない。約40本のシラカバは、根元から切り倒されていたのだ。なぜなのか。理由を美瑛町は。

「周辺の人が多くて通行にも支障があり、伐採したいと町に要望があった」(美瑛町農林課 平間克哉さん)

オーバーツーリズムによる交通渋滞やマナーが…
オーバーツーリズムによる交通渋滞やマナーが…

“オーバーツーリズム”&“日陰”問題が背景に

1つは、オーバーツーリズムによる交通渋滞やマナーの問題。伐採された脇を、1月14日も観光バスが通行していった。

さらに、大きくなった木でできる日陰が、農作物に影響を及ぼしているという理由もあり、伐採されることになったのだ。

地元から惜しむ声も_観光と農業どう両立?

人気観光地の変貌に、地元の人は。

「農作物に影響する。オーバーツーリズムの問題だけではなく。やむを得ないが残念」(美瑛町民)

「今後が心配。クリスマスツリーの木とか、他にも渋滞を起こしているので対策しないと」(旭川市民)

提供:視聴者
提供:視聴者

美瑛町では9年前にも、人気のポプラ「哲学の木」が観光客のマナーの問題もあり伐採されている。

観光と農業をどのように両立させていくか、今後も問われることになりそうだ。

北海道文化放送
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