AIによる予約代行サービス「オートリザーブ」のサービスが、東京の飲食店で物議を醸している。
かき入れ時のAI音声による電話への対応に時間を取られることや、店側の承諾なく情報を掲載して誤情報が多いことも問題に。
運営会社は今後のサービス改善に努めるとしている。

突然店にAI音声電話「オートリザーブです…」

ある日、突然店にかかってくるようになったAI(人工知能)による自動音声の電話。
店からは、困惑の声が相次いでいる。

大勢の客でにぎわう人気洋食店
大勢の客でにぎわう人気洋食店
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東京・大井町駅にあるデカ盛りランチが人気の老舗洋食店「洋食ブルドック」では、客でにぎわい、あわただしく働く中、「オートリザーブです。ブルドックへの予約電話を代行しています」という内容のAI音声による電話がかかってきた。

あわただしい中、オートリザーブからのAI音声予約電話が
あわただしい中、オートリザーブからのAI音声予約電話が

洋食ブルドックの鈴木淳一代表は「今のが『オートリザーブ』の電話になりますね。本当に迷惑です」と話す。

オートリザーブとは、2018年から始まった人工知能・AIによる予約代行サービス。

オートリザーブのサービスの仕組み
オートリザーブのサービスの仕組み

客は、ネットでオートリザーブでの予約を依頼し、AIが店側に自動音声で電話をかけ、予約を代行してくれるというものだ。

ネットで予約できないお店でも予約が可能となるサービスとなる。

店に無断で掲載…誤情報も

便利なはずのサービスだが、SNSでは、このオートリザーブでの予約は受け付けていないという声も。

店のSNSには「オートリザーブからのご予約はお受けできません」と記載も…
店のSNSには「オートリザーブからのご予約はお受けできません」と記載も…

洋食ブルドック・鈴木淳一代表:
うちはこういうところとは取引してません。掲載情報も間違っていることが多くて。

オートリザーブ側から掲載許可を求められずに無断で掲載され、さらに情報も間違っているという。

店側の悩みは、ほかにもある。

「人一人が捕まるだけで1個のオペレーションが止まっちゃう」と鈴木代表
「人一人が捕まるだけで1個のオペレーションが止まっちゃう」と鈴木代表

洋食ブルドック・鈴木淳一代表:
とにかくそこに時間を割かれると、サービスのクオリティーも落としてしまう。お料理を提供したりとか、人一人が捕まるだけで1個のオペレーションが止まっちゃう。

AI電話への対応に時間を取られ、店では悲鳴が上がっていた。

掲載停止希望も「お問い合わせ先にたどりつかない」

トラブルは、ほかの店でもあった。

マイクロブタと過ごせるカフェ「mipig cafe 目黒店」でもトラブルが
マイクロブタと過ごせるカフェ「mipig cafe 目黒店」でもトラブルが

東京・目黒区にあるマイクロブタという小さな豚と過ごせるカフェ「mipig cafe 目黒店」。
外国人観光客からも大人気の店だ。

このカフェもオートリザーブに掲載許可を求められたことはなく、ホームページからの予約のみ受け付けていたのだが、2024年の秋ごろから、AIによる電話がかかってくるようになったという。

さらには、次のようなトラブルも…。

オートリザーブで事前決済を済ませたと勘違いする客も
オートリザーブで事前決済を済ませたと勘違いする客も

mipig cafe・北川史歩さん:
基本的にはご利用後の後会計になるんですが、事前決済を済ませたうえで予約ができているっていう勘違い、トラブルがございまして。

オートリザーブの予約画面。予約代行手数料を店の利用料と勘違いか
オートリザーブの予約画面。予約代行手数料を店の利用料と勘違いか

当時、予約をしたというのは外国人客で、見せられた予約画面はオートリザーブのものだった。
予約代行手数料が引き落とされていたのだが、店の利用料と勘違いされたという。

「すぐさま掲載停止をお願いしたい」と北川さん
「すぐさま掲載停止をお願いしたい」と北川さん

北川さんは「ホームページとか拝見してるんですけど、お問い合わせ先になかなかたどりつかない。すぐさま掲載停止をお願いしたいところではある」と語る。

オートリザーブ側「意見は真摯に受け止める」

オートリザーブ側はどう考えているのか。

運営会社は取材に対し、「違法性はない」と回答したうえで、「AutoReserve(オートリザーブ)では、他社の口コミサイト、個人ブログ、地図サービスなどと同様、一般に公開されている情報やユーザーからのフィードバックによってレストランページを構成しています。もしレストランページに不備がございましたらご連絡をいただき次第、速やかに社内で確認し修正させていただいております」とコメントしている。

オートリザーブの運営会社のコメント
オートリザーブの運営会社のコメント

一方で、届いた意見は真摯(しんし)に受け止め、今後もサービス改善に向けて努力していくとしている。
(「イット!」12月27日放送より)

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