これからの季節に欠かせない鍋の名脇役「キノコ」について、洗ってから調理するか、洗わずに使用するか取材した。
専門店や農家は、室内栽培のキノコは基本洗わずに風味を保つことを推奨している。
一方、マッシュルームやなめこ、生キクラゲは洗った方がいいという。

キノコ洗わない派が優勢

年末も近づき、グッと寒くなってきた。
そんな時期、食卓の主役はやっぱり鍋だ。
その鍋に欠かせない名脇役に小さな疑問を感じていないだろうか。

18日のテーマは「徹底取材!キノコは洗う?洗わない?ソレってどうなの?」だ。

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東京・練馬区のスーパー「アキダイ関町本店」で買い物をしている方に、「キノコって洗っていますか?」と聞いてみた。

客:
ゴミついてると、キッチンペーパーでササッと。キノコは洗わない。基本的に。

客:
シイタケのかさは軽く洗ったりはするが、基本洗わない。生で食べないし加熱するから洗わない。

洗わない派が優勢のようだが、洗う派もいた。

客:
私洗っちゃう。ササッと洗っちゃう。気になるから、おがくずのようなものが。

客:
シイタケは洗いやすいからサッと表面洗う。汚れがついているかと思って。

青井実キャスター:
ーーパックンは、キノコを洗いますか?

スペシャルキャスター パトリック・ハーランさん(パックン):
実家にいたころはずっと洗っていたけど、日本に来てからは奥さんに再教育を受けて、今洗わないことにしています。

実は、キノコのおいしさを広めようとイベントなどを開催している「関東きのこの会」が農家に聞いた調査結果がある。
それによると、25%が「洗う」、75%が「洗わない」と回答しているという。
キノコのプロたちに徹底取材すると、納得の回答が得られた。

風味が落ちて水っぽく…おすすめは「洗わない」

訪れたのは、さまざまな珍しいキノコをしゃぶしゃぶで味わうことができるお店「シャングリラズシークレット六本木店」。

約30種類の天然キノコを使用したスープは、ビタミンやミネラル、カルシウムなどを豊富に含み、特に女性客に人気だ。

店長の平山さんに、お店でキノコを洗うか、洗わないかを聞いた。

シャングリラズシークレット六本木店・平山卓也さん:
キノコは洗っていないです。室内で育てられていて、元がきれいなので、そのまま洗わずに。風味も洗うと落ちてしまうので、洗わずに使用している。

さらに、キノコ専門店ならではの理由もあった。

シャングリラズシークレット六本木店・平山卓也さん:
処理した状態で、納品されることが多い。食べられない部分を入れていない生産者が多い。

神奈川・横浜市金沢区のキノコ農家、永島農園・永島陽子さんにも聞いた。

永島農園・永島陽子さん:
農園としては洗わないのをおすすめしています。どうしても気になれば、キッチンペーパーをぬらしてふいたり、きれいにすれば特に問題はない。実際にシイタケやキノコを見て、気になるようなら、気になる部分だけ切り落とすのも1つの方法。

「洗わない理由」を聞いた。

永島農園・永島陽子さん:
風味が落ちてしまうのと、水っぽくなってしまうので、せっかくのうま味がぼやけてしまう。

最後に、元キノコ問屋で、キノコを愛するあまり、協会まで立ち上げた露木啓さんにも聞いた。

関東きのこの会・露木啓代表:
基本的にスーパーで売っているキノコは、洗わないで使って大丈夫。風味が落ちることと、水溶性の栄養成分が流れてしまうこともある。

一方で、洗った方がいいというキノコもあるそうだ。

関東きのこの会・露木啓代表:
例えばマッシュルームや、なめこ、生キクラゲは洗った方がいいといわれている。なめこはパックで売っているものがあるが、時間が経つと酸味が出てくることがある。ちょっと洗うと酸味を落とせるので、おいしいといわれている。

これからの季節、食べる機会の多くなるキノコをよりおいしくいただくために、参考にしてみてはいかがだろうか。
(「イット!」12月18日放送より)

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