「警視庁捜査2課のヤマモトケイです」
警察官を装う、詐欺が疑われる電話。受けた女性は、すぐさまに不信感を抱いた。
これが、両者のやりとりだ。

警察官装う詐欺電話…受けた女性との生々しいやり取り

FNNが入手した、ニセ電話詐欺の実際の音声。

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ニセ警察官:
私は警視庁捜査2課のヤマモトケイと申します。
A子さん:
警視庁捜査2課、ヤマモトケイさん。
ニセ警察官:
ヤマモトと申します。
A子さん:
ケイの字はどういう字?
ニセ警察官:
慶応の慶です。

詐欺や横領など知能犯を担当する警視庁捜査2課の捜査員「ヤマモト慶」を名乗った犯人。
この電話を受けたA子さんは、すぐさま「ヤマモト慶」に不信感を抱いた。

A子さん:
車の中にいるときに電話がかかってきました。
「富山県警の事件の件でお話を伺いたいので、今から身分証明書を持って富山県警にこれますか?」と言われて。
非通知と、警察と言われた時点でちょっとおかしいと思って(録音した)。

A子さんは、「ヤマモト慶」を問い詰めていった。

A子さん:
刑事さんでしたら、身分証の番号がありますよね。
ニセ警察官:
はい。
A子さん:
そちらをいただけますか?

ニセ警察官:
えーよろしいですかね。
956…7877…43ですね。

訳の分からない9桁の数字を、A子さんに伝えてきた。
A子さんは、さらに「ヤマモト慶」を問い詰める。

A子さん:
捜査2課につながる直接の番号を教えて下さい。
ニセ警察官:
そちらはお伝えすることはできません。
A子さん:
えっ?どうしてですか?

思うように応じないA子さんに対して、ヤマモト慶はいら立ちを見せる。

ニセ警察官:
現状ね、今、我々は富山県警の事案に関して捜査をしなければなりませんので。この我々の直通電話番号をお伝えすることができません。代表番号ならお伝えすることができるが。

A子さん:
警視庁の捜査2課ですよね。
ニセ警察官:
はい。

A子さん:
分かりました。代表番号から一度、今いただいた情報でこちらからかけ直して、それからお話を進めさせていただこうと思いますが、よろしいですか?

ニセ警察官:
このお電話で対応はできませんかね?○○さんに伝えないといけないことがあるんですが。

A子さん:
そうですね、まだヤマモトさんという人の身分を、私も確認しなければ、この先お話ができないと考えております。ですので、この後、警視庁の代表番号におかけして…

※電話が切れる

「ヤマモト慶」を撃退したA子さんは、すぐさま110番通報した。

本物の警察:
事件でしょうか、事故でしょうか。
A子さん:
すみません、いま警視庁の捜査2課の「ヤマモトケイ」さんという方から、直接お伝えしなければいけないことがあるという電話がありまして。

本物の警察:
うん、99%嘘の電話です。
A子さん:
やっぱりそうですよね。

A子さん:
(ニセ電話が)慌てているときにかかってきたら、動揺したりとかすることもあると思う。

全国で被害が相次ぐニセ電話詐欺。
警察庁によると、警察官を装うケースを含め、詐欺が疑われる電話は、2023年1年間で13万件以上に上っていて、増加傾向にある。

警察は、「警察官がSNSで事件の内容を伝えることはなく、捜査のために口座のお金を送金させることもありません」と注意を呼びかけている。
(「イット!」11月26日放送より)