「ストライキ決行中」「私たちはただ、子どもを守りたいだけ」「誠意ある対応を!」
20日午後、神奈川・厚木市の閑静な住宅街で、6人の保育士がプラカードを掲げて訴えた。彼女たちは、「関口フェルマータ小規模保育園」で働く6人の保育士。

なぜ保育士がストを決行したのか。保育士たちは、多くの離職者を生んだ“パワハラ被害”を知ってもらうとともに、“労働環境の改善”を訴えたいという。

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保育士らは、「これからの保育業界を守るために、がんばっていきたいと思います」「要求が飲まれるまで、がんばりたいと思います」と強く語った。

パワハラにより5年間で園長4人含む29人が離職

関口フェルマータ小規模保育園では、普段であれば午後も園児の預かりをしているが、20日はストライキ決行のため午前中で預かりを終了したという。

子どもたちの預かりを休止してのストライキ。その理由として挙げるパワハラを行ってきた人物について、保育士らは「保育園を運営する法人の管理職員」などと説明。その度重なるパワハラにより、離職者や休職者が相次いでいるとしている。

ストライキに参加した保育士は、「1~2歳児の担任がいたが、すぐにやめてしまって(1人で)1歳児の担任をしていた。トイレに行きたいという子もいれば、まだ遊びたいという子もいて、そのなかで『私はもう無理だよ』と言ったこともあります」と涙をにじませながら語った。

結果として、この保育園では5年間で園長4人を含む29人が離職した。

運営元の法人には「不信感しかない」保護者も訴え

この事態を受け、現場の保育士らは環境改善を求め、運営元と話し合いをして改善された点もあるものの、不十分であると訴えている。

保育園の副主任は、「私たちは別にストライキをして反抗をしたいわけじゃなくて、直接話して本当に理解し合って、子どもたちの笑顔を守りたいだけなんです」と訴えた。

20日の会見には、保育園に子どもを通わせる保護者らも同席。保育士の離職が相次ぐ現状を放置している運営元の対応に疑問を投げかけた。

「いろんな先生がたがが毎日とっかえひっかえ、子どもたちも不安でしょうがなくて。この子の時は、牛乳は(飲食可能の)マルをしていなかったが、一斉退職でいろんな先生が変わったときに、この子は牛乳を飲まされました。(運営元の法人に対して)不信感しかない」

今、全国的に起きているという保育士の大量離職。今回の保育園ストは、そうした現状を変える糸口となるのか。

園を運営する社会福祉法人は、FNNの取材に「担当者が不在のため答えられない」としている。
(「イット!」11月20日放送)