お笑い芸人のTKO木下隆行さん（52）が、10月に石川県警をかたる“特殊詐欺”に遭っていたことを告白しました。
事の発端は、10月23日、午前9時過ぎにかかってきた一本の電話。
電話の相手は“石川県警”と名乗ったといいます。
TKO木下：
「木下さんですよね」って僕の名前をいうんですね。「出頭願えますか」って言われるんですよ。
突然の出頭要請。その日、昼から仕事があったため、出頭できない旨を伝えると、別の人物が電話口に現れたと言います。
TKO木下：
次つないだ人が、「石川県警の“ソガ”です」って言うんですよ。「今から石川県警に出頭願えますか」って、もう一回言われて。
改めて出頭を断ると、今度はLINEでの通話を求めてきたといいます。
TKO木下：
LINEっていうワードをね、「は？なんで、おかしいやん」って、今思えば分かるんですけど、僕もいろいろありましたんで、問題起こしたこともあるので、次起こしたらどうしよう、出頭？怖いぞ、なんかあったんかな俺、みたいなのがぐるぐるぐるぐる回ってるんですよ。
向こうも警察の格好をした人がいて、僕も「おぉ」と思って、「はじめまして、私 石川県警のソガです」言うて、警察手帳を僕にこうやって見せるんです。
警察官のような格好をした人物から見せられた“警察手帳のような物”を見て、すっかり信用してしまった木下さん。
「周りに誰もいないか確認させてくれ」と言われるがままに、画面越しに周囲を見せます。
TKO木下：
「ハシモトダイスケという男が、数億円の詐欺事件で逮捕され、捜査の中で木下さん名義のキャッシュカードが見つかったんです。身に覚えありますか？」みたいなこと言われたんで、僕本当に分からないですと。「あぁ、やっぱそうですか」みたいな。「やられましたね」みたいな、「木下さん巻き込まれましたね」って。
ちょっと僕の中で、「あ、よかった…」よかったじゃないけど、緩急があるんですよ。僕のことドキドキさせて緊張させるし、そうか、俺巻き込まれてるんだに今度変わるし。
木下さんが「数億円の詐欺事件に巻き込まれた」と話す人物。
さらに電話相手は、銀行の口座残高を聞いてきたといいます。
TKO木下：
「通帳記入いつされました？」みたいな。「8月ってなってますわ」「あぁ、ちょっとそれ厳しいなぁ、今日の残高教えてもらえます？」って。
不安に思った木下さんが、教えることをためらうと、相手の態度は一変。
TKO木下：
「木下さんね、今容疑者にかけられてるわけですよ。木下さんの冤罪をはらすために今警察は動いてます」と。「今一緒になって戦ってます」と。
その言葉で再び不安をあおられ、木下さんはビデオ通話をつなげたまま、車で銀行に向かい通帳の記帳をしたといいます。
TKO木下：
(口座残高)何円ですっていったら、「木下さんって、テレビ出てる木下さんですか？」って言われるんです。そこで、「本部長と話したところ、TKOの木下は関係ないという答えが返ってきたので、木下さんは無実です」って。
一連のやりとりに不信感をもちつつも、面倒な事から解放された安心感などから、そのまま通話を切った木下さん。
その日の午後、石川県警に確認したところ、“ソガ”という人物は存在せず、なりすましによる特殊詐欺だと言われたそうです。
この時 警察からは、詐欺犯が有名人と気づき発信されるリスクなどを考えて、途中で犯行を切り上げたのではないかと説明を受けたといいます。
後になって確認すると、最初にかかってきた電話番号がアメリカからのものと判明しました。
「明日は我が身」被害を受けて初めて分かること
今回、木下さんに、金銭的な被害はありませんでしたが、専門家は、住所や家族構成などを話してしまったことで、今後も注意が必要だと指摘します。
詐欺・悪徳商法ジャーナリスト 多田文明氏：
闇の名簿というのが犯罪グループの中では共有されていますので、そこに今回、残高含め家の状況含め、そうしたものの最新情報が付加されたということで、より狙われる一人になっているということは言えると思います。
警察に相談し、現在は自宅周辺が警察の警戒パトロール区域となっているという木下さん。今回の出来事をこう振り返ります。
TKO木下：
ひっかかる人おんねや、高齢の方ならしゃーないかぐらいの感じだったんですよ。まさか自分がっていう思いに勝手になってましたね。
やっぱり、「俺に限って」「私に限って」はないという、「明日は我が身」という気持ちでいた方がいいなと思いました。
(「めざまし8」11月19日放送より)
