安倍首相は8月28日午後5時から緊急会見し、辞任の意向を正式に表明した。
後継の総理大臣が決まるまでは臨時代理をおかず、首相にとどまる方針だという。
任期半ばでの辞意表明に、「志半ば…」と少し目が赤くなるようすも伺えた。

気になるのが「ポスト安倍」の行方だが、Live News it!ではキーマンの一人、石破茂元幹事長と中継をつないで加藤綾子キャスターが直撃インタビューを行った。

「無念の思いがひしひしと…」
加藤綾子キャスター:
まずは安倍首相の辞任表明についての受け止めというのはいかがでしょうか?
石破茂 自民党元幹事長:
まあ正直言って驚きましたね。この世界に34年いますからね。いろんなのを見てきて何を見ても驚かないようになっているんだけれど、やっぱりきょうの午前中ぐらいまでは「体調の回復に全力を尽くしながら続ける」というふうにおっしゃるんだろうなというのが大体の感じでした。やっぱり驚きましたね。それと同時に憲法改正であり、北方領土であり、拉致問題であり、そして喫緊の課題である新型コロナと共に安倍さんがやりたかったことがやり遂げられなかった…その無念の思いがひしひしと伝わってきました

加藤綾子キャスター:
石破さんは、具体的にどのタイミングで安倍首相の辞任ということを知ったのでしょうか?
石破茂 自民党元幹事長:
それは安倍首相が自民党本部にお入りになる直前ですよ。どうもお辞めになるらしいという情報が入りましたのでね。本当に直前でした
ズバリ自民党総裁選に出馬する?
加藤綾子キャスター:
そうだったんですね。速やかに行われる自民党総裁選だと思うんですが、石破さん、ズバリどうでしょう?出馬されますか?
石破茂 自民党元幹事長:
これは一昨年でしたか、安倍さんと1対1で総裁選やりましたね。非常に厳しい状況だったんですけどね。党員の方々の45%のご支持をいただいた

石破茂 自民党元幹事長:
今でも世論調査だとね、それは私の実績評価でもなんでもないんだけれど、多くのご支持をいただいている…そういうような状況にある私が、そりゃ浅学非才で(総裁の)任に堪えませんなんて、そんな無責任なことは言えないと思いますよ。ただ20人の方の推挙がなければ出られませんからね。まずはそこからやるということですけど…
加藤綾子キャスター:
そうすると、20人の推薦があればもちろん出るということでしょうか?
石破茂 自民党元幹事長:
そうですね。これだけ党員の方々のご期待がある以上、そして安倍政権でも4年、幹事長、大臣としてやってきましたしたからね。日本の政治の責任を負っている一人なのですよ、今の現状に責任を負っている一人なのですよ。ですから、そのことの責任感はちゃんと持たないといかんと思いますね
総裁選で大事なのは何なのか?
加藤綾子キャスター:
先ほど岸田文雄政調会長も出馬へ強い意気込みを示したんですけれども、いかがお考えでしょうか?
石破茂 自民党元幹事長:
それは立派な方ですから、よろしいんじゃないですか。知事さんは県民が選ぶ、市長さんは市民が選ぶんですが、総理大臣というのは国民が選べないんですよ。だけども自民党員になっていただく、年に4000円払っていただくと、自民党総裁、往々にして総理大臣なんだけれども、それを党員が選べますということですよね。こういう新型コロナなど、いろんな難局が待ち構えている、その中にいる。そうすると岸田さんにせよ、私にせよ、その他の方にせよ、「私ならこうするんだ」ということを申し述べて、党員の方に投票していただいて一緒にやろうよという思いを共有するのは大事なことじゃないですか

石破茂 自民党元幹事長:
そして次の総理が決まるまで安倍首相がお勤めになるんです。全閣僚も続けるわけです。そうすると政府の機能が止まるのかというと、そんなことはない。国会を開会しているわけじゃないから、国会にご迷惑がかかるわけでもない。郵便投票だからコロナの影響は最小限にできる、工夫次第で抑えることができるわけですね。今大切なのは一緒にやろうよという、そいういう思いを共有する。それが次の政権を誰がやるにしても必要なことじゃないですかね
加藤綾子キャスター:
出馬した場合は一緒にやろうよということを訴えていきたいと?
石破茂 自民党元幹事長:
納得と共感だと思いますよ。国民の皆さん方のね
辞意表明した安倍首相にかける言葉は?
加藤綾子キャスター:
石破さん、今 安倍首相に声をかけるなら、どのような言葉をかけたいですか?

石破茂 自民党元幹事長:
それは「ご苦労様でした」ということ。そして自民党が野にあること3年3カ月、そこから自由民主党が国民のご信頼を得るに至ったということについては「ありがとうございました」ということじゃないんですかね。そして何よりも「体調の回復にどうぞ万全を期してくださいね」ということだと思いますね
加藤綾子キャスター:
わかりました。きょうはありがとうございました
(Live News it! 8月28日放送より)