2014年、死者・行方不明者63人を出し、「戦後最悪の火山災害」とされた、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山の噴火。

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10年が経過した今も、その影響が続いているといいます。

御嶽山の頂上付近にある「二ノ池」。神秘的なエメラルドグリーンの輝きに満ちた池は、かつて登山客に人気の撮影スポットでした。

2021年10月撮影 濁った少量の水が残るのみ
2021年10月撮影 濁った少量の水が残るのみ

しかし、2021年10月に撮影された映像では、すでにその輝きは失われ、わずかに濁った水が残るのみ。

そして…先月、ついに水が干上がり池は跡形もなく消えてしまいました。

干上がって乾ききった地面
干上がって乾ききった地面

かつて「二ノ池」が美しい姿のときに訪れたことがあるという登山客は、現状に肩を落とします。

登山客:
17年前に(御嶽山に登って)二ノ池のエメラルドグリーンがものすごくきれいだったことは今でも覚えていまして、(今年)二ノ池を訪れていたら、まるで砂漠のような荒涼とした景色になっていて、自然というのはやはりものすごく大きな力を持っているのだなと。

二ノ池のほとりに建つ、山小屋の支配人は…。

二ノ池山荘 小寺祐介支配人:
山小屋全体の水源地として使っておりました。お風呂があって喜んでいただけるような山小屋でしたので、それがなくなってしまうのは非常にさみしいものがありました。

いまだ続く噴火の影響

二ノ池が干上がってしまった原因として考えられる、10年前の噴火の影響…。
御嶽山科学研究所の國友孝洋氏は、次のように指摘します。

御嶽山科学研究所 國友孝洋 氏:
雨や雪解け水などによって、(噴火後山に)たまっていた火山灰が水と一緒に流れ出して、池の部分、くぼ地の部分を埋めていったと。

2020年8月20日撮影 まだ池に水は残っている
2020年8月20日撮影 まだ池に水は残っている

上空から撮影した写真を見ると、4年前には水が確認できますが、翌年には約半分にと、年々水量が減少しているのが確認できます。

2022年9月13日撮影 水は茶色く濁りわずかに残るのみ
2022年9月13日撮影 水は茶色く濁りわずかに残るのみ

國友氏によると、新たに水が溜まる環境が整わない限り、再び池を見られる可能性は低いとのことです。
(「めざまし8」11月11日放送より)