大阪市で2日、高校駅伝大会が開催されたが、激しい雨でコースが冠水し、途中で異例の中止となった。
選手たちは、ももまで水につかりながら走り、その後の代替大会では、体力面での負担を懸念する声も上がった。

「かわいそうに」冠水コースを走る選手

“スポーツの秋”を迎え、駅伝シーズンも真っ盛りだ。
そんな中、大阪市では2日に、全国大会への出場をかけた高校の駅伝大会「大阪府高校駅伝」が開催された。
しかし、大会の途中に雨脚が強くなり、異例の中止になってしまった。

冠水したコースを走る選手
冠水したコースを走る選手
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青井実キャスター:
駅伝が中止となるほどの雨とは、いったいどのくらい降ったのでしょうか?

激しい雨が降り、コースが冠水しています。普段私たちが見ている駅伝とはまったく違う景色です。
選手たちも足を上げ、必死に走ろうとはしていますが、もものあたりまで押し寄せた茶色く濁った水で、まともに走れていません。

街の人にも映像を見てもらった。

70代:
これ雨降ってたの?かわいそうに。これでやったの、おかしくない?

20代:
こんな雨の中でやったらタイムも変わるし、体調にも影響出ると思う。

青井キャスター:
2日、大阪市では大雨警報が出され、午後2時16分までの1時間で、41.0mmの激しい雨を観測し、11月の観測史上最多の降水量となりました。大会の中止が発表されたのは午後2時ごろで、異例のことですが、中止になったのはレースが続いている途中のことだったそうです。

首位を走っていた関西創価高校の北川監督に当時の状況を聞いた。

関西創価高校陸上部・北川竜之助監督:
1・2区は普通の雨だったので、そこまで走りにくさはなかったと思う。3区くらいから雨脚が強くなってきた。レース終わりにチームメートたちが共有した動画では、ある地点では、ひざくらいまでの水があったところもあった。これはレース途中で終わるのは、しょうがないと思った。

3日後に行われた代替大会の様子
3日後に行われた代替大会の様子

青井キャスター:
大会は急きょ中止になりましたが、3日後の5日に、ヤンマースタジアム長居で代わりの大会が行われました。

全チームが完走していた3区までは中止当日のタイム、4区以降は陸上競技場のトラックを走ったタイムの合計で順位が決定し、3区の時点で首位だった関西創価高校がそのまま逃げ切り、優勝しました。

3日後に再開催「1週間くらい時間を置けば理想的」

監督に、選手のみなさんの様子を聞いた。

関西創価高校陸上部・北川竜之助監督:
4区の藤田は、2番目に長い8kmだったので、それをもう1回、3日後に走るのは、本人的にもなかなかきついというのは、言葉には出していないが、顔や雰囲気からは「もう1回か」という気持ちは多少あったと思う。

青井キャスター:
青山学院大学陸上部の原晋監督は、再び長い距離を走ることになった学生の気持ちについて、こう話します。

青山学院大学陸上部・原晋監督:
“アスリートファースト”に立った視点で、多少時間を置いてもよかった。大会後3日という猶予は、高校生の体力を考えたときには1週間くらい時間を置けば理想的。

青井キャスター:
また、運営側が大会を中止する判断は遅いとしつつ、今後への教訓になったと言います。

青山学院大学陸上部・原晋監督:
(中止の)判断はもう少し早くできたんじゃないか。その対策は今までにない状況だったので、後手に回ったという点では致し方ないが、今後に生かしてほしい。

青井キャスター:
1区目・2区目まで、できていたわけですけれど、判断はなかなか難しいですね。

スペシャルキャスター パトリック・ハーラン氏(パックン):
この状態で8km走ったら、体調や体力が回復するのに3日以上はかかると思います。悔しい思いをしたかもしれないですけど、いつかは笑える思い出話になってほしいなと思いますね。

街の人は今回の中止の判断について、どう考えているのか聞いた。

60代:
例えば細菌感染もあるし、寒さとか体温低下による健康を脅かす可能性が非常に高い。なんで開催しちゃったんだろう。

青井キャスター:
一方で、街の人からは「自分の予定」だったら、中止の判断を下すのは難しいと理解を示す声もありました。

40代:
はじめにやる日に合わせてきたから、いろいろ準備もその日のために合わせてきてる。急に延期になるって言われても困るかもしれないし、行けなくなるかもしれない。

青井キャスター:
異例の天候が今や当たり前の時代となり、急な悪天候や猛暑での大会の開催など、運営側も難しい判断を迫られています。
(「イット!」11月6日放送より)

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