国民生活センターは6日、ウォーターサーバーの勧誘トラブルに関する2023年度の相談件数が1997件と過去最多だったと発表した。

2024年度も9月末時点(4月~9月30日)ですでに1214件で、過去最多だった2023年度の9月末時点の798件を上回るなど、過去5年間で右肩上がりに増え続けている。

特定事業者ではなく、ショッピングモールのイベントスペースなどでの勧誘をきっかけにトラブルが起きやすいという。

相談事例としては、ショッピングモールで声をかけられ、「解約料をキャッシュバックするので、他の事業者でレンタル中のウォーターサーバーを当社のレンタルに乗り換えないか」「月々のレンタル料を支払うと3年でお客様のものになる」などと勧誘を受けて契約した40代女性のケース。

契約から1年後、契約内容をウェブサイトで確認した際、月々の支払いがレンタル料ではなく割賦金であったと判明した。不信感を持ち、事業者に解約したいと申し出たところ、サーバー購入代金の残債として約10万円を一括支払いするようにと言われ納得ができないという相談があった。

また、スーパーのイベントスペースで「サーバーは3年間無料でレンタルできる、水の配達は初回無料で、いつでも止められる」と声をかけられ申し込んだ60代女性のケースでは、勧誘時に解約についての説明はなく、「読んでおいてください」と言ってマーカーで線が引かれた重要事項説明書と契約内容確認書を渡されたという。

後から不要に感じ、電話で解約したいと申し出ると、「3年以内にウォーターサーバーのレンタルサービスを解約すると違約金が発生する」と言われた。契約時に説明がなかったことから違約金なしで解約したいという相談だった。

これらの相談事例からは、販売員の説明が契約内容にない虚偽のものであったり、説明が不十分などの問題点が見受けられる。

国民生活センターによると、販売員が嘘をついたことで誤認した場合は、たとえ契約書に書かれていても取り消しができる法律があるものの、本当に嘘を言ったのかを立証することは難しいという。その場で焦って契約せず、複数のサービスや価格を比較し、契約内容をよく確認したうえで検討するよう呼びかけている。

(※画像はイメージ)

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