いよいよ27日は投開票の衆議院選挙だ。

関西の最大の注目は、大阪16区。

維新対公明、初めての直接対決に加えて、唯一の前職、立憲。3つ巴の大激戦となっている。

維新・新人 黒田征樹候補(44):政治とお金の問題。国会議員が裏金を作って脱税するのは論外です。

公明党・新人 山本香苗候補(53):堺のために頑張るんだ!背水の陣で、何が何でもこの小選挙区で勝ちあがるんだ。

立憲・前職 森山浩行候補(53):政権交代で政治の大掃除。維新・公明の政治を変えましょう。

大阪・堺を舞台に3人だけの真剣勝負が繰り広げられている。

■「“政治とカネ”の問題に一番厳しく対応してきたのが維新」 維新・新人 黒田征樹候補

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維新・新人 黒田征樹候補:すいません。ありがとうございます。何から何まで。ありがとうございます。

10月半ば、選挙戦にむけた出陣式を開いたのは、日本維新の会公認の新人、黒田征樹候補(44)。

堺市議会議員を13年あまり務め、国政に初挑戦する黒田候補を支えようと、同僚議員や、古くからの友人、知人たちが集まった。

黒田候補の後援会会長:この席でちょっと言うのはあれなんでしょうけど、やんちゃをしていたころから…。
維新・新人 黒田征樹候補:言うなよ。

維新・新人 黒田征樹候補:心強い仲間がいる限り、相手がどんなに巨大な勢力であろうと、僕は絶対に負けるつもりはありません。堺から僕こそが、日本の国を変えていくんだと。

いわゆる大阪都構想をめぐる、維新と公明の協力関係がリセットされたことで、今回は公明党と初めての直接対決に。

黒田候補は、市議会議員として堺市の財政改革を進めてきた実績とともに、「“政治とカネ”の問題に一番厳しく対応してきたのが維新だ」と訴える。

維新・新人 黒田征樹候補:われわれ維新の会は、組織や業界団体、そういった支援は一切受けていませんし、これからも受けるつもりはありません。しがらみのない政治で、国民の皆さまが本当に必要とする政治を実現していく。

公示日には早速、日本維新の会の吉村洋文共同代表が訪れ、自民党のいわゆる“裏金議員”を推薦している公明党を批判した。

日本維新の会 吉村洋文共同代表:本当は公明党ってお金にクリーンな、最もそこに厳しくやるのが公明党だったんじゃないですか。裏金議員を応援して推薦してるんですから、結局守ろうとしているのは、自分たちの身分じゃないですか。こんな政治やってて良くなるわけありません。

この選挙戦で、黒田候補が力を入れているのは、選挙区をとことん歩いて回ること。その距離は、選挙戦初日から、150キロ以上にのぼる。

有権者:頑張ってね。応援しています。

激励の声が多く寄せられる一方で、こんな場面も…。

街の人:維新なんてうそつきやからいらん!

それでも黒田候補は、有権者と直接ふれあうことを大切にしている。

維新・新人 黒田征樹候補:いい反応もあれば、厳しいお言葉をいただく場面もありましたけど、それも含めて、今の維新や自分への評価だと思ってるので、真摯に受け止めて、前を向いて頑張っていきたいと思います。

■「安心安全な社会を作りたい」 公明党・新人 山本香苗候補

公明党公認で自民党推薦の新人、山本香苗候補(53)。参議院議員を4期23年務めた。

堺の福祉団体:ほんまにいなくては困る方ですので、われわれ全力で応援させていただきます。

政界を引退した公明党の重鎮、北側一雄副代表から選挙区を引き継いだ山本候補。

出陣式でも、北側さんと連れだって集まった支持者たちに挨拶する。

ただ、2人並んで記者から取材を受けると…

記者:(選挙)戦術としては、どう展開をしていく?

質問が飛ぶのはまず北側さん。自分の個性をどうアピールするか、聞いてみると…。

公明党・新人 山本香苗候補(53):(北側さんと)カラー違いますから。北側さんの時には、大和川線とかスーパー堤防だとかハード面、私はどちらかというと、社会保障とかソフト面。

SNSでは、これまでの実績をまとめた動画をアップ。

街頭でも、「安心安全な社会を作りたい」とカラーを前面に出して、訴える。

公明党・新人 山本香苗候補:全世代の皆さま方が安心できる、社会保障の構築に全力を掲げてまいりました。物の値段が高い、生活が苦しい。皆さま方の声を直接うかがってまいりました。その声に応えるため、選挙後には、追加の経済対策を実現してまいります。

有権者:なっちゃーん。
公示日には、山口那津男前代表が応援に。

「高齢者の医療費負担を現役世代と同じ原則3割に見直す」との維新の公約を批判した。

公明党・山口那津男前代表:みなさんこれはあまりにも冷たいじゃありませんか。こんな先々の事までよく考え抜いていない維新の人たちに、これからの社会保障を任せる訳にはまいりません。

「自分はチャレンジャーとして頑張りたい」と話す山本候補。

演説では、声をからしながら、議席の死守を訴える。

公明党・新人 山本香苗候補(53):小選挙区で1番じゃないといけない。2番じゃダメなんです。1番じゃないとダメなんです。是非ともみなさん、山本香苗を衆議院に送り出していただきたい。勝たせてください。よろしくお願いします。

■「維新と公明を“大掃除”する」 立憲・前職 森山浩行候補

先週、地域のイベントで、公明党の山本候補と北側さんに挟まれて座るのは、立憲民主党公認の前職、森山浩行候補(53)。

立憲・前職 森山浩行候補(53):いつもイベントがある時は隣になる。北側さんが、この15年くらい隣に座っても、一言もしゃべってくれないから、困ってた。

森山候補は、2009年の衆院選で、北側さんを破って初当選しましたが、直近2回の選挙では比例復活に甘んじきた。

しかし、今回維新が立候補し、3つ巴の争いとなったことで、小選挙区での勝利を目指す。

森山候補の支持者:公明の基礎(票)と維新の基礎(票)も知ってはりますよね。それを見ても戦える?

立憲・前職 森山浩行候補:無党派・政党支持なしの人たちと、自民党支持の人たちの動向(が鍵)なんですよ。

街頭では、無党派層を意識し、大阪でこれまで協力関係にあった維新と公明を「大掃除」することが必要だと訴える。

立憲・前職 森山浩行候補:行き過ぎた行政改革により、地方政府の機能を棄損(きそん)してきたり、文化をないがしろにしたり、こういったことを維新・公明の政治でやってきた。この維新・公明が仲間割れした選挙です。

先週末には、枝野幸男元代表が応援にかけつけた。

立憲民主党 枝野幸男元代表:規制緩和で競争だ、民営化で小さな政府だから自己責任でやれ。これでは、日本の力が、日本人の力が落ちていくし、そして引き出せない。だからこの30年、日本は失われた30年と言われている。

「活動量だけは絶対負けていない」と話す森山候補。

商店街を練り歩いたり、子どもたちに向けて演説したりと、さまざまな場所で自分の訴えを聞いてもらうことにしている。

立憲・前職 森山浩行候補:子供らがどんな環境で生まれ育っても、ちゃんとご飯食べて、お医者も行けて、やりたい勉強やクラブ活動もできて、社会で活躍できる、そんな日本を取り戻していきましょう。

互いに一歩も譲らぬ3つ巴の争いを制するのは、誰になるのだろうか。

(関西テレビ「newsランナー」2024年10月25日放送)

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