日本被団協がノーベル平和賞に選ばれたことで、来館者が増えると見込まれる原爆資料館。広島市は、混雑解消のため2024年3月から開館時間の延長や「WEB予約」を導入し、チケットの事前購入を呼びかけている。
WEB予約で「じっくり見学」
広島市中区にある多くの観光客が利用するホテル。広島市の職員がチラシの束を持ち込み、ホテルのスタッフに手渡した。

フロントの近くには、どっさりとチラシが積まれている。チラシの内容は、原爆資料館が力を入れている「WEB予約」の案内だ。

2023年4月以降、来館者数が急増し、チケット購入のために2時間待ちの日も出ていた原爆資料館。混雑を緩和しようと広島市は2024年3月から開館時間の延長やWEB予約を導入した。おすすめは、入館者数の上限を設けた「WEB予約専用」の時間帯。開館時間を朝と夕方以降も延長し、7:30~8:30、17:30~19:00(8月は18:30~20:00、12月~2月は16:30~18:00)の時間帯はじっくり見学することができる。

ところが、観光客にWEB予約を知っているか聞いてみると「いいえ。予約が必要なんですか?」「知らないです」という返答。一方、「混んでいるかなと思ってインターネットで予約した」と話す家族連れもいた。
延長時間帯の利用は約26%
2024年4月~9月の半年間で原爆資料館の入館者数は約119万人。前年の同時期と比べ15%増え、過去最高を記録した。しかし、延長時間帯の利用は平均で約26%、WEB予約は約4割ほどにとどまるなど、認知度の低さが課題となっている。

そこで広島市は国内外の人に広く知ってもらおうとチラシでの周知を始めた。

日本語版のほかに英語版のチラシも作成。QRコードを読み取るとダイレクトに英語版の予約サイトにいき、外国人観光客も予約しやすいようになっている。

今回のノーベル平和賞決定で来館者数が増えることが見込まれ、広島市はWEB予約のさらなる利用向上を目指す。広島市平和推進課・川本翼さんは「日中の時間帯に来館が集中するため、WEB専用の時間帯に来館していただくことで分散をはかりたい。今後も入館状況を見ながら、より多くの人に被爆の実相に触れていただけるように混雑対策に取り組んでいきたい」と話す。
(テレビ新広島)