世代を超え、時代を超え、愛される永遠の歌姫・美空ひばりさん。ゆかりある福島県いわき市に新たなご縁が加わった。
みだれ髪の舞台 塩屋埼灯台
福島県いわき市の塩屋埼灯台で行われた除幕式で、ひばりプロダクションの加藤和也社長は「地元の方々たちに母親がよくしてもらった分、何かのお返しをしたいという気持ちで参ったんですけれど」と挨拶した。
塩屋埼灯台は、美空ひばりさんの名曲「みだれ髪」の舞台になった場所だ。大病を患った後、復帰第一作として1987年に発表された「みだれ髪」。
ひばりさんは当時、いわき市の市長に直筆の手紙を送っていた。
「素晴らしい作品のテーマを与えてくださった いわき市に行ってみたい」
しかし、その願いは叶わず52歳の若さでこの世を去った。
ファンの聖地に 新たな像
塩屋埼灯台の広場は、歌碑や慰霊碑などが設置され雲雀之苑(ひばりのその)として、ファンが訪れる“聖地”に。東日本大震災の津波の被害も受けず、ひばりの奇跡と呼ばれている。
10月17日にお披露目されたのは、等身大のひばり像。この春に閉館した京都の記念館から移設された。
除幕式に参加していた伏見栄子さん(79)は、ひばりさんの大ファンで、20年ほど前には老人ホームでひばりさんの歌を歌い慰問をしていた。いまも、ひばりさんの歌が伏見さんの支えになっている。
伏見さんは「私にとっては神様でもあり、なんか長くお付き合いしているような友でもあるような存在。福島がどんどん元気になって、皆さんに親しまれるひばりちゃんでいてほしいと思います」と話した。
ひばりさんを近くに感じて
ひばりプロダクションの加藤社長は「ひばりちゃんがここにいてくれるから、また元気にできるわ!とおっしゃってくださったことが、私たちの励みになっております。辛いこと悲しいことが二度と起きないように、ここでうちのおふくろにもずっと祈り続けてもらいたいなとそんな風に思っています」と話した。
美空ひばりさんと親交が深い近藤真彦さんは「今にもひばりさんが、ふっとでてきてくれたような感じがしました。ずっとこのあとは一生この場所にいてほしいなと。よそに行かないで、ずっとここにいてほしいなと思いました」と話していた。
震災の犠牲者に冥福を祈るように、胸の前で手を組むひばり像。復興へと歩む福島を見守り続ける。
(福島テレビ)
