超短期決戦で行われることになった「解散総選挙」。新潟県内の選挙区から出馬する候補者は新たな区割りでの闘いに挑むことになる。上越地域に加えて南魚沼市や魚沼市が選挙区となり、県の3分の1ほどの面積を占めることになった新5区。
前回と同じ立憲民主党の前職・梅谷守氏と自民党の前職・高鳥修一氏による与野党一騎打ちの構図となる見込みだが、両者とも不祥事による党の処分を受けた中での選挙戦となる。
立憲・前職 梅谷守氏 “日本酒配布問題”も手応え口に
「私は、地方と都市のこの格差、雪国や都会の格差を埋めることこそが、地元の代議士としての原点だと考えている」

10月6日、選挙区内最多の人口を持つ上越市の街頭で地域格差の是正などを訴えた立憲民主党の前職・梅谷守氏。
前回2021年の選挙では、当時、自民党県連の会長を務めていた高鳥修一氏に130票差という僅差で競り勝ち、初当選を果たした。
しかし、今年4月。選挙区内の祭りなどで有権者に日本酒を配ったとする公職選挙法違反の疑いで刑事告発され、その翌月には党から1カ月の党員資格停止処分を受けた。
現在も「捜査機関に全面的に協力している」として、問題についての詳細は語らない梅谷氏だが、「この間、直近では色々あったが、それでも丹念に自分なりに回ってきたこともあって、手応えとしては決して悪くないという認識」と選挙への手応えを口にする。

ただ、その一方で「軽率なことだったと反省しているし、今は結論が出るまで、全ての判断はそこがあってからの話だと思っている」と有権者に説明する場面も。
有権者の理解を得るため説明を続けながらの選挙戦が予想される。
「捜査機関からの結論を待つ身なので、そこに向けて捜査に全面的に協力をさせていただく。
やはり、こういう思いがある、こういうビジョンであるということを政策的にどれだけ具体的に訴えるかという戦い方をしていきたい」
自民・前職 高鳥修一氏 “不記載問題”で背水の陣
一方で、10月5日、新たに選挙区に加わった南魚沼市で積極的な経済対策などを訴えていたのは、自民党の前職・高鳥修一氏だ。

「一つは力強い経済対策、そして物価高騰対策で。やはり、経済は力強く、必要なものには投資をして、お金を使って回していかなければならない」
この日は市内を街宣しながら、有権者たちに声をかけて回っていた。
「政治と金の問題というのは、大きな問題だと思っている。それも含めた、自分も含めた自民党の修正をしていかなくてはならない」
こう語る高鳥氏は2018年からの5年間、旧安倍派から計544万円のキックバックを受け取り、収支報告書に記載していなかったことが判明。自民党県連会長を引責辞任し、党からの戒告処分を受けていた。
「ご心配をおかけしたことは率直にお詫びをし、また反省をしなければいけないと思っている。ただ、裏金という言葉の使い方が非常に誤解を生んでいるところもある」

自身の事務所については、使途不明金はなく、単なる不記載だと説明する高鳥氏だが、石破首相は不記載があった議員の比例代表重複立候補を認めない方針を示した。
「もう選挙区で勝つしか勝ち上がる方法がない。厳しい。もう背水の陣だが、党の決定には従って、全力で頑張りに行きたいと思う」
不祥事を経て、信頼回復が大きな課題となる2人の一騎打ち。有権者はどちらの候補に新潟5区の希望を見るのか。
(NST新潟総合テレビ)