超短期決戦で行われることになった「解散総選挙」。新潟県内の選挙区から出馬する候補者は新たな区割りでの闘いに挑むことになる。長岡市・柏崎市・小千谷市・見附市などが選挙区となった新潟4区では、立憲民主党の前職・米山隆一氏、自民党の前職・鷲尾英一郎氏に加えて、自民党から公認を得られていないものの、前職の泉田裕彦氏も出馬を予定し、前職3人による三つ巴となる可能性がある。
立憲・前職 米山隆一氏 “自民政治からの転換”訴える
10月6日、小千谷市にある神社で開かれたマルシェで支援者と談笑していたのは、立憲民主党の前職・米山隆一氏だ。

前回の衆院選で、旧5区から無所属で出馬し、初当選を果たした米山氏。その勝因の一つとなったのが「野党共闘」だ。
立憲民主党の野田代表は共産党との連携に対して否定的だが、米山氏は「中央は中央でどうにもならないところはあるが、地域はきちんとした信頼関係の積み上げもあるので、できる範囲で連帯していきたい」と今回の選挙でも野党共闘への自信をのぞかせた。

さらに強力な味方となっているのが、妻で作家の室井佑月さんだ。演説会やイベントなどで共に活動しながら自民党政治からの転換を訴える。
「時代は変わったので、新しい政治を始めるときですと訴えていきたい」
自民・前職 鷲尾英一郎氏 逆風の中“旧文通費の公開”強調
野党がまとまる一方で、前職の2人が名乗りをあげ、保守分裂の危機にあるのが、自民党だ。

「自民党公認ということで党総裁からしっかり戦えという話をいただいたので、しっかり戦っていきたい」
こう話すのは、党から公認を得た鷲尾英一郎氏だ。
2019年に自民党に入党し、区割りの変更とともに4区の支部長に就任した鷲尾氏。これまで選挙区内に約70の後援会を立ち上げたほか、市町村議員との連携も強化してきた。

しかし、その自民党に対して吹いているのは、「政治とカネ」をめぐる強烈な逆風だ…
10月6日に開いた選対会議でも「私は裏金問題には一切関わっていない」と裏金問題への関与を否定。その上で、初当選以来、公開義務のない旧文通費の公開を続けてきたと強調する。
「自ら進んで法律の義務付ケガないということを自主的にやってきたということ。だからこその信用の積み上げで、私こそ政治改革ができるということ。それを第一に政治の信頼を取り戻したい」
自民非公認・前職 泉田裕彦氏 “裏金告発”県連の対応に一石?
鷲尾氏が政治改革を訴える中、「今回の総選挙の争点は政治改革と裏金問題」と話し、改めて新潟4区から出馬の意思を示したのが、前職の泉田裕彦氏だ。

9月27日に行われた総裁選では石破陣営の選対に入り、石破首相の誕生に貢献。総裁選後には「ジェットコースターに乗ったような気分」と高揚していた。
しかし、10月9日に自民党が発表した第一次公認リストに泉田氏の名前はなく…4区から出馬することで保守分裂になりかねない状況だが「裏金問題と戦って、違法行為はしないとやったら県連から排除された」と前回の衆院選で裏金問題を告発したことに対する県連の対応に一石を投じたい考えだ。

「結局、違法行為をしないということで、活動している人を排除するということを是とするのか、非とするのか、県民の皆さんに聞いてみたい」
保守分裂の危機に県連の岩村良一幹事長は「候補者がいるところに無所属で出るという事態が生じれば混乱も起きるということで、適切な対応を党本部の基準に則ってしていただきたいという申し入れをしている」と党本部に対応を求めていることを明らかにした。
保守分裂は回避されるのか、はたまた前職3人による三つ巴となるのか…公示日までの動きも注目される。
(NST新潟総合テレビ)