超短期決戦で行われることになった「解散総選挙」。新潟県内の選挙区から出馬する候補者は新たな区割りでの闘いに挑むことになる。従来からの下越地域に、新たに新潟市北区の一部と秋葉区という市街地で票数も握るエリアが加わった新潟3区。5度目の対決となる自民党の前職と立憲民主党の元職に加えて新人の三つ巴となる公算だ。
自民・前職 斎藤洋明氏 “党の改革”や“経済政策”に力
10月7日の新発田市で沿道に立ち、市民へ挨拶していたのは、自民党の前職・斎藤洋明氏だ。

「国会開会中はなかなか来られなかったが、それでも地元にいるときは必ず立つようにしている」
前回、4回目の当選を果たした斎藤氏。若さを武器に「自民党を変える」と訴え続け、去年、党内で派閥の政治資金問題が発覚し、党の信頼が揺らぐと…
「リーダーの責任ということも私は大いに議論されるべきだというふうに思っている」
党内で初めて当時の岸田首相の退陣論に言及。そして、新たな石破政権では財務副大臣に就任した。
「地方の声もしっかり伺いながら、重要課題に着実に取り組むとともに、歳出・歳入両面からの改革を推進していきたいと考えている」

着実に実績を積み上げる斎藤氏。前回功を奏した妻との二人三脚も健在だ。
一方、地元にいられない時間も多く、新たな選挙区では後援会を立ち上げられていないところもある。それでも今回は党の改革に加え、経済政策にも力を入れるとして支持を訴える。
「やっぱり一番は景気であり、経済であり、地元の産業。ですから当然自民党は改革します、それは当たり前のことですと、その上で世の中をよくしていきますということを訴えていく必要があると思う」
立憲・元職 黒岩宇洋氏 “議席奪還”へ地元での活動着々
一方、闘志みなぎる真っ赤な服でビラを配っていたのは、立憲民主党の元職・黒岩宇洋氏だ。

「(朝の電車が)20分に1本ずつで3本くらい。だから、こっちは6時40分くらいからいるけどね。電車がこないときは車、来るときには電車」
前回の衆院選では斎藤氏に敗れ、県内で唯一党の議席を守れなかった黒岩氏。
「やっぱり中央でしっかり声を届けたい。そのために力を貸してください」
悔しさをバネに毎日、挨拶運動を行ってきたほか、元職としての経験と地元にいる時間が増えた点を逆手にとり、準備を進めてきた。
すると、盟友の議席を奪還しようと、党のベテラン議員も次々と来県!去年11月には、9月に代表に就任した野田佳彦新代表もエールを送っていた。
「いつも弟分のようにかわいがっていただいている。そういう信頼関係で戦えるのは、私もうれしい限りだし、心強いと思っている」

黒岩氏は自身が企業団体献金をもらわずに政治活動をしていた経験などを強調し、自民党の政治と金をめぐる問題にけじめをつけさせると主張する。
「どの政党でも飽き足らないという人に、私個人としても、どれだけその人たちを引きつけることができるか、そこは非常に大きなカギを握ると思います」
維新・新人 吉村祐一郎氏 “中小零細企業活性化”で街を元気に
斎藤氏と黒岩氏の5度目の対決に「待った」をかける存在も。

新たに選挙区に加わった新潟市北区を回っていたのは、日本維新の会の吉村祐一郎氏だ。
国政には初挑戦の吉村さんだが、去年の統一地方選挙では新潟市議選で北区から出馬。ほかの2人より馴染みがある場所だと意気込む。
しかし、急転直下の解散に公示を迎える準備は間に合っていないという。
「打ち合わせも相当入ってくると思います。ビラだ、ハガキだ、ポスターだ、それをどこにどういう形で配布するんだと」

それでも、この日は大手企業との競争などに苦しむ市場の人たちから生の声を聞いた吉村氏。
中小零細企業を活性化するための経済政策に力を入れ、ボトムアップの景気対策で街を元気にすると訴える。
「私は中小零細から街をしっかり盛り上げることが景気対策になると思っているので、私はそういう活動がしたい」
現職・元職・新人の三つ巴の戦いで有権者から選ばれるのは…
(NST新潟総合テレビ)