2024年10月9日、太陽表面で大規模な爆発現象「太陽フレア」が発生。過去には日本で低緯度オーロラが観測されたこともある。今回は規模が小さく、オーロラ出現の可能性が低いというが2025年には太陽活動がピークになり、日本でもオーロラが見られるかもしれない!?
太陽フレアがもたらす影響
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の発表によると、太陽フレアは地球に様々な影響を及ぼす可能性がある。人工衛星への障害では、地磁気を利用して姿勢制御を行う衛星に影響が出る可能性がある。これにより、カーナビやスマートフォンの位置情報に誤差が生じる可能性も指摘されている。

しかし、太陽フレアがもたらすのは懸念だけではない。驚くべきことに、通常は極地方でしか見られないオーロラが、より低緯度の地域でも観測される可能性があるのだ。
福島県の夜空を彩った光
実は、福島県でのオーロラ観測は過去にも例がある。1958年2月11日、会津若松市で「赤光(しゃっこう)現象」と呼ばれるオーロラが観測された。福島民報(1958年2月12日付)によると、会津若松測候所が同日午後7時55分から午後9時にかけてこの現象を観測している。
当時小学生だった地元住民は「冬の夜に北の空が真っ赤に染まり、火事騒ぎになった」と証言している。この赤い空の正体が、後にオーロラだったと判明した。

さらに驚くべきことに、つい最近の2023年5月11日にも、喜多方市でオーロラが観測されている。Xで画像をポストしているここぱぱさんによると「肉眼では見られなかったのですが、北側の空が赤く色づいていました」とのことだ。

日本でオーロラ観測の可能性は?
今回の太陽フレアについて、福島県田村市の「星の村天文台」大野智裕台長は「今回はオーロラの観測は難しいのではないか」と話す。その理由として「5月に発生した爆発の大きさは地球の約30倍だったが、10月9日の爆発は地球の約2~3倍と5月のものに比べると小さな規模だった」と説明している。

しかし、ここで希望の光が差す。太陽活動は2025年にピークを迎えるとされており、今後1年間は福島県でオーロラが観測される可能性が高まっているのだ。
福島県で見るなら?観測ポイント
大野台長によると、オーロラ観測に適した場所の条件は以下の通りだ。
1. 北を向いた先に明るい街がない場所
2. 福島県の場合、山形県境や宮城県境付近、吾妻小富士付近が適している
具体的なおすすめスポットとしては:
- 吾妻小富士から北を見る
- 猪苗代から磐梯山を見る
- 喜多方市の大峠から北方を見る
これらの場所は、北側に明るい街がなく、低緯度オーロラを観測しやすい条件が整っている。

太陽フレアがもたらす地球への影響は、私たちの生活に思わぬ形で関わっている。位置情報サービスへの影響など、現代社会ならではの課題もある一方で、福島県という比較的低緯度の地域でオーロラが見られる可能性があるという、ロマンに満ちた側面もある。今後1年間は太陽活動が活発になる時期だ。夜空を見上げれば、思わぬ奇跡に出会えるかもしれない。
(福島テレビ)