高齢者の転倒事故が増加していて、2023年には約6万7000人が救急搬送されている。
特に自宅での転倒が多く、身近なリスクとなっている。
東京消防庁は、高齢者の転倒リスクを減らすため、日常的な予防を推奨している。
骨折で生活が一変するケースも
赤坂御用地のお住まいで転倒され、大腿(だいたい)骨を骨折した上皇后美智子さまだが、手術は8日午前、無事に終了した。
美智子さまは89歳。
実は東京消防庁によると、このところ高齢の方の転倒事故が増えているという。

「イット!」の青井実キャスターが街で声を聞くと、美智子さまのけがのニュースを聞いた皆さんも、自分に忍び寄る転倒のリスクを心配していた。
青井実キャスター:
上皇后さまが、けがされたとありましたけど、どう聞きました?
70代:
人ごとじゃない。76歳だけど、転ぶとすぐ骨折したり、動けなくなっちゃう。
青井キャスター:
転んだことはない?
70代:
何回もあります。骨折して入院したこともあるし、何回もあります。ひざに必ずサポーター巻いてるんです。歩けなくて4カ月入院した。そうするとますます歩けなくなる。
青井キャスター:
周りの方でも多い?
80代:
年取ってくるとしょうがないですね。姉もこの間、同じくらいでけがした。85歳くらい。お尻の骨って言ってました。自分でもハッと気づいたら転んでたんですって。
80代:
私の存じ上げてる方でお元気な方だったんですけど、自転車で大腿骨をけがされて、手押し車でお買い物するので、元気に歩いていたんですけど、この間また転ばれた。
青井キャスター:
気をつけなくてはいけないと感じますか?
80代:
自分に置き換えるとゾッとしますね。車いすになったらどうしよう。寝たきりになったらどうしよう。いつまでも女性は、若くてキレイでいたいと思う。
東京消防庁によると、2023年に「ころぶ」事故で救急搬送された高齢者は、約6万7000人にのぼるという。
しかも、転ぶ事故の発生場所は、約6割が住宅など住んでいる場所で、家の中でも注意が必要だ。
スペシャルキャスター・山口真由さん:
私の父もこの間、駐車場で転んで顔を切ったようでけがをしました。心配ですけど、プライドにも関わるので、何かいろいろ難しいなって思いますね。

青井キャスター:
7年前に、当時60代後半の母親が大腿骨を骨折したという女性は、活動的だった生活が一変したと言います。
母親が大腿骨を骨折した女性:
大腿骨の「骨頭」という部分が折れてしまって、手術して折れた部分を切除して、金属の骨の代わりになるものを入れた。けがの前はウォーキングを1時間以上したり、1人暮らしを満喫していた。今は100メートル歩くのも難しい。近くにスーパーがあるけど、そこでも買い物できないし、行かない。毎日、テレビ見てるくらいで、けがしてから生活のクオリティーが下がった感じがします。
日本は割と災害が多いので、何かあったときにどうしようっていうのはあります。母親を連れて走れないと思います。
1人1人ができる対策は?大きく気をつけたい3点
青井キャスター:
では、高齢者の転倒事故を減らすにはどうすれば良いのでしょうか。東京消防庁に聞いてみると、一般論として、1人1人が簡単にできる対策があると言います。

東京消防庁防災安全課・殿谷英彦消防司令:
大きく気をつけていただきたいのが3点。1つ目は、靴下やズボンをはくときは無理に片足立ちせずに、腰掛けて着替えてください。2つ目は、いすやベッドから立ち上がるときは、近くのものにしっかりつかまってから立ち上がるように気をつけてください。3つ目は、適度な運動を続け、体力をつけ、つま先を上げて歩くように意識しましょう。
青井キャスター:
家の中でも油断せず、毎日こつこつ体力アップ。
けがのリスクを減らすための準備を今日から無理なく始めてみてはいかがでしょうか。
(「イット!」10月8日放送より)