石川県能登地方で起きた豪雨で、喜三翼音さん(14)が今も行方不明となっている。
24日、新たに海岸付近で翼音さん愛用の黒い靴が見つかるなか、父親の鷹也さんは「まだ信じています」、祖父の誠志さんは「とにかく今は1分1秒でも早く翼音を見つけてほしいという願いだけ」と胸中を明かした。
豪雨発生から72時間が経過、家族などによる懸命の捜索が続いている。

能登豪雨発生から72時間が経過…父「まだ信じてます」

石川・能登地方を襲った記録的豪雨発生から72時間が経過。

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今も行方不明となっている中学3年生の喜三翼音(きそ・はのん)さんの家族が今の心境を明かした。

翼音さんの父・鷹也さん:
まだ信じてますけど見つかって欲しいです、とにかく。

豪雨により住宅部分が全て流されてしまった翼音さんの住宅。今日の捜索で新たに見つかったのは、翼音さんが学校に履いていっていたという名前入りの靴だ。

翼音さんの父・鷹也さん:
これ、キソって書いてあるんですけど、冬場はこれ履いていて、今は夏なので履いてなかったですけど。玄関先に置いてあったんです。

翼音さん愛用の靴は、中まで泥で覆われながらも、「キソ」と名前が書かれた文字はかすかに残っていた。

9月23日に複数の靴が発見された場所
9月23日に複数の靴が発見された場所

23日は、翼音さんの自宅に近い塚田川の下流で、複数の靴を発見。

9月24日に新たに靴が発見された場所
9月24日に新たに靴が発見された場所

24日はそこからさらに下流の海岸付近で翼音さんの靴が見つかったという。

翼音さんの父・鷹也さん:
本人の写真とかは結構出てくるんですけど、やっぱり物とかはあんまり出てこなくて。
本人のものが1つでも見つかれば嬉しいです。

能登地方を襲った豪雨災害では、これまでに7人の死亡が確認され、7人の安否が分かっていない。

生存率が低下する“72時間”が経過するなか、氾濫した塚田川では、24日も早朝から翼音さんを含めた4人の捜索が行われた。

祖父「1分1秒でも早く翼音を見つけてほしいという願いだけ」

翼音さんの自宅付近では、祖父の誠志さんも懸命な捜索にあたっていた。

翼音さんの祖父・誠志さん:
家の孫は去年中学1年生の頃から、わたしも朝市通りに店を構えてやってたんですけど、中学2年生になる頃から少しずつ手伝ってくれるようになったんですよね。

2024年1月の能登半島地震で大部分が焼失した輪島の朝市。地元の組合などの協力で3月から「出張輪島朝市」も始まり、復興へと歩みを進めていた。

翼音さんの祖父・誠志さん:
第一回の出張輪島朝市が開催された時に、流された翼音という孫が「じいちゃん、ばあちゃん。私も手伝いに行く」と言ってくれて、それからずっと地震後も手伝ってくれてたんですよ…。
今では一通り、何でもできるようになっていた。

復興のため、朝市の手伝いに通い続けていたという翼音さん。

翼音さんの祖父・誠志さん:
「大学も頑張って目指すから。もう一度、頑張ってやるからお手伝いするね」って…。本当に大変に優しいかわいい子だったんです。
とにかく今は1分1秒でも早く翼音を見つけてほしいという願いだけです。

捜索は数百人態勢で日没まで続けられる予定。
(「イット!」 9月24日放送より)