まだまだ厳しい暑さが続くとみられる中、都内の家電量販店では、お盆休みが明けた8月も下旬に差し掛かる今もエアコンが飛ぶように売れているという。

ビックカメラ有楽町店・三森純平さん:
直近10日間、特にエアコンは2019年の約2倍の売上高となっています。この時期であれば、エアコンの売り上げは落ち着いてくるのが例年の傾向ですね。

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総務省消防庁によると、熱中症発生場所の約半数は家の中。暑さを乗り切るには、家庭でエアコンを上手に活用する必要がある。

帰ったらまず換気・扇風機などとの併用も

そこで、専門家とともにエアコンをめぐる疑問を徹底解明。

女性A:
エアコン代どう抑えればいいのか、やっぱり一番聞きたいですね。

女性B:
エアコンをつけたり消したりするのに電気代かかると思うので、どのくらい出掛けるときに消したらいいのか。

やはり皆さん、気になるのは「エアコンの電気代」。

どうすれば効率的に部屋を冷やせるのか?空調の専門家に尋ねると…

ダイキン工業・垣永大輔さん:
お部屋に帰ってきた時、エアコンをつける前に窓を開けることでお部屋の温度を下げる。

外よりも部屋の中が暑く感じたら、換気をすべきだという。サーモカメラを使ってチェックしてみると、換気を始めた直後から、窓の付近が低い温度を示す青色に一気に変化しているのがわかる。

また、部屋を効率的に冷やすには、サーキュレーターや扇風機の併用がおすすめ。

エアコンの冷たい空気を部屋の隅々にまで早く行き渡らせることで、設定温度を下げずに冷やすことが可能になる。この結果、エアコンの設定温度を1℃下げる場合と比べ、1日あたり約33円の節約にもなるという。(10畳タイプのエアコンを24時間使用した場合。電気・ガス比較サイト「エネチェンジ」による試算)

さらに、冷房効率を上げる、こんな方法も。

ダイキン工業・垣永大輔さん:
効率的にエアコンを運転するためには、室外機の周りに物を置かないということも非常に大事です。

SNSには、室外機を冷やそうと水が入ったバケツからタオルを垂らしたり、水を入れた袋に穴をあけて直接水を垂らすなど、様々な工夫が投稿されている。

しかし、こうした方法は故障につながるおそれもあり、推奨しないという。

室外機に直射日光を当てない工夫を

その一方で効果的だというのが、室外機に直射日光を当てないこと。そのためのおすすめアイテムが今、ホームセンターで大人気となっている。

DCMホールディングス 広報室・関戸繁男さん:
こちらが今、需要が伸びている「よしず」になります。

窓の日除けとして、例年の1.5倍も売れているという「よしず」。室外機の日除けとしても効果的だという。

また、室外機に直接貼って温度を下げる遮熱フィルム「エアコンの室外機を守ります4枚組」(メーカー希望価格税抜き1500円)も効果あり。

こうした日よけ対策を室外機に施すと、電気代もお得になる。

エネルギー効率を研究する企業の試算によると、1日あたり約19円ほど節約できるという。さらに2週間に1回、エアコンのフィルターを掃除するだけでも1日約15円の節約が可能になる。

また、この夏はコロナ禍もあり、厚生労働省はエアコン使用時のこまめな換気を呼びかけている。
換気する時はエアコンからなるべく離れた窓を開けるとエアコン周りの温度の上昇を押さえることができ、近くの窓を開けた場合に比べて1日約4.2円の節約になる。

これらを全て実践すると、月に2000円以上の電気代が節約できるという。

さらに、エアコンをつけっぱなしにした方がお得になる基準について、専門家は…

ダイキン工業・垣永大輔さん:
(環境によるが)日中は35分以内の外出であれば、エアコンはオフにするよりもつけっぱなしにした方が電気代は安い。

就寝時に冷えを感じたら?

一方、意外にも熱中症のリスクが高いのが寝室だ。旭化成建材株式会社・快適空間研究所の
調査によると、家の中での熱中症の発生場所は寝室が28.3%でトップ。

就寝時のエアコン使用について、街からは…

女性C:
夜つけっぱなしで寝るんですが、不安になりますね。風邪引くなと思いながら。

環境省はエアコンの設定温度ではなく、室温が28℃になるように調節することを推奨している。

それでも、エアコンで冷えを感じる人向けに、熱中症に詳しい専門家に見解を伺った。

済生会横浜市東部病院・谷口英喜患者支援センター長:
エアコンを使うと下半身に冷たさを感じる。レッグウォーマーを使うなどの工夫をすると、冷えを感じにくくなります。常に部屋の中にいる時は、エアコンに頼って命を守っていただきたいと思います。

熱中症で亡くなる人の9割は60歳以上というデータもある。高齢者は暑さを感じにくくなるという傾向があるため、意識してエアコンを活用し、危険な暑さから身を守ってほしい。

(「めざましテレビ」8月21日放送分より)