野村総合研究所は18日、配偶者のいる女性(20~69歳)で、パートもしくはアルバイトとして働く約2000人を対象とした「就業状況」に関する調査の結果を発表した。
全体の61.5%が、労働時間を削減して社会保険料の負担を避ける「年収の壁」を意識し、実際に就業時間や日数を「調整している」と回答した。
この数字は、2022年の調査結果とほぼ同じ(61.9%)で、2年前から割合が変わっていないことを示している。
また、全体の60.6%が「昨年と比べて時給が上がった」と回答し、そのうちの半数以上(51.3%)が「時給上昇を理由に就業調整をした」と回答していて、時給アップが、さらなる労働時間削減の引き金になっている可能性を示唆している。
一方で、「今後(就業調整を)する予定」と回答した人も2割ほど(23.3%)おり、野村総合研究所の試算によると、さらに約210万人が、今後「年収の壁」を理由に労働時間を削減する可能性があるという。
野村総合研究所は「こうした事実が、我が国の人手不足をより深刻化させ、経済成長の抑制につながっている可能性がある」と指摘している。