2025年3月末での営業終了を発表した長野市の「ながの東急ライフ」。車を持たない地域の高齢者などからは「今後どこで買い物すればよいのか」など困惑の声があがっている。長野市の荻原健司市長は、いわゆる「買い物弱者」への対応を検討するとしている。
建物の老朽化…「事業継続は困難」
9月12日発表された「ながの東急ライフ」の2025年3月末での営業終了。
地域からは驚きと困惑の声があがっている。
「ながの東急ライフ」は1990年に長野市吉田に開業。食品や婦人服売り場の他、テナントとして飲食店や酒店などが入っている。
この記事の画像(8枚)運営しているながの東急百貨店の子会社「北長野ショッピングセンター」は、建物の老朽化で、大規模な設備更新が必要となり「事業継続は困難」と判断した。
土地と建物は分譲マンションを手がける「マリモ」に売却するとしている。
「悔しい、どこで買い物をすれば」
テナントの一つはNBSの取材に対し「突然のことに驚き、さみしい気持ち。お客さまには申し訳ない。今後、感謝の気持ちを込めて前向きに営業していきたい」とコメントしている。
利用者や地域の住民は、「足が悪くなると電車に乗るのも大変だから、全部ここで。だからすごく悔しい、足がないというのは」、「(店の閉店は)すごく不便ってもんじゃない。公共交通機関のバスだって縮小されて、それに合わせて工夫するしかない」など、地域の高齢者からは、この先どこで買い物をすればよいのかという不安の声が上がっている。
しなの鉄道北長野駅と長野電鉄信濃吉田駅の2つの駅から近い「ながの東急ライフ」。周囲2キロほどの範囲にはスーパーがある。しかし、駅から近くにはほとんどない。
市長「対応を研究したい」
長野市の荻原健司市長は「私も利用者の一人。残念に思われている方もいるのでは。買い物ができなくなり、遠くまで行かないといけないなど、影響が今後どういう形か注視しないといけない。地域の方からのご相談を聞いて対応を研究したい」と述べ、車を運転しない高齢者などいわゆる「買い物弱者」への対応を検討するとしている。
(長野放送)