毎年夏に高知市で開催される講演イベント「高知市夏季大学」。10日間にわたって開催された。最終日には異色のお笑いコンビ「パックンマックン」が登壇しコミュニケーションの大切さを語った。
マックンの高知での“苦い思い出”
高知市夏季大学に登壇したお笑い芸人の「パックンマックン」は、アメリカ・コロラド州出身でフジテレビのニュース番組「Live News イット!」のスペシャルキャスターを務めるパックンことパトリック・ハーランさん(53)と群馬県出身のマックンこと吉田眞さん(51)が1997年に結成した「異国コンビ」だ。

これまでに何十回も高知を訪れたことがあるという2人は県内の短期大学で文化祭のゲストとして参加した際のエピソードを披露した。

マックン:
校舎の中では(タバコを)吸わないでくださいって(言われたので)喫煙所に行ったんです。そしたら女の子が2人走ってきた。
パックン:
短大生ですよ。すいません、すいませーんって。
マックン:
あれ、もしかして俺も「写真撮ってください」って言われるのかなと思ったんですけども、その短大生に。
パックン:
かばんから何か出して。
マックン:
チラシを渡されて。
パックン:
この後パックンマックンが舞台に出ますんで、よければ。
マックン:
見に来てくださいって言われたんですよ。え、あ、はい、多分行くと思いますって僕も言っちゃって。
高知での苦い思い出に会場は笑いの渦に包まれた。
“つながる楽しさ”知る機会に
そんな講演のテーマは「笑劇的(しょうげきてき)国際コミュニケーション力」。講演中、受講者同士にコミュニケーションを促し、受講者同士で自己紹介が始まった。

マックンも「今までで行った国でどこが一番良かったですか?」と受講者に質問。受講者が「一番最初に行ったスペインですね」とコミュニケーションをとる一幕も。「人とつながる楽しさを知ってほしい」とパックンマックンも受講者との会話を楽しんだ。

マックン:
まず楽しかったですよね。知らない人の情報を聞いて共通点が見つかるとうれしくなって親近感がわく。
パックン:
絆ができる。
マックン:
逆に自分が知らない情報を入手することもできる。
パックン:
自分の脳に残る情報のインプットの仕方、テレビ画面とか紙面とかでインプットしてもいいんですけど、対面式で人から直接聞いた話の方が圧倒的に記憶に残る。ですから、これ楽しいだけじゃなくて自分の学習方法としてもぜひ生かしてほしい。
「人と直接話す機会」の大切さ語る
さらに、日本にいる外国人に対して「こんにちは」と話しかけるべきとアドバイス。「つかみは日本語でいい。英語は完璧じゃなくてもいい。伝わればそれがコミュニケーション」と間違いを怖がらないことが重要だと話した。

受講者からは「会場一体となった感じで楽しかった。あっという間に終わってしまった感じでした。英語も話せるぞ!ってそういう気持ちになって終わりました」「100%の英語じゃないとしゃべれないと思っていたのが単語で話してもいいって言われて、これやったら外国の人とも話せるかなって」といった声が聞かれた。

コミュニケーションは人の輪を広げる。インターネットが普及し、SNSなどでのやりとりが当たり前となったこの時代に2人は改めて「人と直接話す機会」の大切さを訴える。

パックンは「小さい(携帯の)画面で人生を過ごしてもしょうがないと思うんですよね。だってこんなに大きい世の中があなたを待ってるから。取りあえず外に出なさい、友達と携帯で待ち合わせしてもいいから実際に会って話してください。結局本物のコミュニケーションは対面式だと思ってほしいなと思います」と語った。
受講者を巻き込んだ“参加型”の夏季大学は笑いあり、学びありの1時間半となった。
(高知さんさんテレビ)