全国各地で続く暑さにより、冷たい食べ物や飲み物の摂取が増え、「胃バテ」と呼ばれる胃腸の不調が増加しているという。
胃の負担が増すことで自律神経が乱れ、免疫低下や不調を引き起こすとされている。
対策には食事の見直し、入浴やエアコンの風を見直すなどがある。
「胃バテ」に症状に悩む人が増加
全国各地で連日のように続く危険な暑さ。
ついつい冷たい食べ物や飲み物に手を伸ばしてしまう方も多いと思われる。

しかしこの時期、こうした冷たい食べ物の影響などで、いわゆる「胃バテ」と呼ばれる症状に悩む人が増えているという。
40代の人は「胃は弱りやすいですね、夏は」とコメント。
50代の人は「胃薬を飲む機会が増えたかもしれない」と話す。
せたがや内科・神経内科クリニックの久手堅司院長によると、「胃バテ」とは、夏バテの中でも、特に胃腸の不調を指す症状だという。
久手堅院長は、「夏バテがあって、その中で胃の症状が結構多くを占めているので、それで『胃バテ』と言われていることが多いですよね。胃バテをしてしまうと、自律神経とつながってるので、免疫が落ちるだとか、不調が出るとかっていうのは起こりやすい」と話している。

チェックリストで「朝から胃が重く、空腹にならない」や「胸やけやゲップがよく出る」など、2つ以上あてはまる方は「胃バテ」の可能性があるということだ。
50代男性は「胃バテですね。冷たいもの、特にビール、アイスを頻繁にとる」とコメント。
50代女性は「2つかな。冷えを感じると、口内炎が治りにくい。口内炎がいつの間にかできて、治りにくいかも」と話す。

1年の中で、胃の負担を感じる時期を調べたグラフを見ると、一番多いのが、8月となっている。
「胃バテ」の原因について、久手堅院長は、「内臓が冷えてしまうことが、胃バテの一番の理由。夏は外の暑さと中の冷え、それによってその温度差によって、自律神経が乱れてしまって内臓の不調、『胃バテ』が出る」と話している。

自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」の2つがある。
自律神経が乱れて、「交感神経」が優位になりすぎると、胃の働きが鈍くなり食欲や消化する力が低下。
逆に「副交感神経」が優位になりすぎると、胃酸の分泌が過剰になり、胃を荒らしてしまうという。
不調を来す…食事やエアコンの見直しも
そして、自律神経を乱すのは、温度差だけではなかった。

久手堅院長は、「あとはどうしても食事もね。温かい麺じゃなくて、冷たい麺食べたくなるじゃないですか。もともと冷えてるところに冷えてるものたくさん入れちゃったら、また不調が出ますよってことになっちゃうので」と話す。

また、「胃バテ」の対処法についても、久手堅院長は、「『胃バテ』する人ってのは、ウチの患者さんには直接エアコンの送風口から出てきてるエアコンの風は当たらないようにしてくれと言っている。それだけでもだいぶ良くなってくるし、41℃くらいのぬるめのお湯で首までつかっていただいて、10分15分くらい、やっていただいてもいいのかな」と話している。

さらに、食事選びも大切だという。
久手堅院長は、「腸内の“善玉菌”の活躍を助けてもらうために、ヨーグルトとか発酵食品、乳酸菌とかを、定期的に入れていただく。カレーがいいっていうのは、血行を良くしたりとかっていう、そういうスパイスが入ってるじゃないですか。そういう面でカレーがいいってことですよね」と話している。
(「イット!」 8月20日放送より)