「都民の生活、少しでも豊かになるようにしますぜ~」
有名ラッパー「漢」と人生初のラップバトルに挑戦したのは、かつて航空自衛隊のトップ航空幕僚長を務めた田母神俊雄候補(75)。お堅いイメージの経歴からか、若い世代や無党派層からの支持を狙った独自の戦略を展開した。

「都知事になったらまず、都民税の減税、若者皆さんの収入アップ!東京都は東京都民に厳しくて、外国人に甘すぎる。だから東京都民の生活を第一に私は考える!」
ビートに乗り自身の政策で韻を踏んでいく田母神氏。若年層の取り込みを狙ったイベントはこれだけではなかった。
トー横キッズやキャバ嬢と交流
選挙戦で田母神氏は、新宿・歌舞伎町のトー横キッズやキャバクラ嬢とも積極的に交流した。

「政治は弱い人とか困ってる人の面倒を見るっていうのが根本。それぞれの人の事情を知って対応することが必要だと思います」とアピールし、若者からは「絶望的なトー横で政治が希望になるのではないかと思った」と期待感が聞こえてきた。
ゴルフで息抜きがてら新公約も
実はゴルフが大好きだという田母神氏。選挙戦の合間に訪れた六本木にあるゴルフスクールではショットも披露した。

ほんのわずか右に飛んだボールの軌跡にスタッフから「ちょっと右寄りなのがいいですね」と言われると田母神氏は「左嫌いだから。英語でも『ユーアーライト』って言うでしょ。右が正しい」とユーモラスな一面ものぞかせた。
また、毎朝やっているという腕立て伏せをカメラの前で披露し、「毎朝35回。昔は50回していた」と体力自慢をアピール。「若洲の都営ゴルフ場を24時間運営にしたい」とも語った。
有名人のお友達作戦
多種多様な選挙戦略を見せた田母神氏。「田母神俊雄。満75歳。どう見ても74歳にしか見えないと言われます」「わたしは本当にいい人なんです」がお決まりの台詞となった。

茶目っ気たっぷりのシャレに、自信たっぷりの“いい人宣言”。そんな田母神氏の応援に駆けつけたのは、タレントのデヴィ夫人をはじめ、高須クリニックの高須克弥院長、俳優の西岡徳馬さんに芸人・関暁夫さんなどの有名人だった。
デヴィ夫人は「日本の国力を東京から強く世界に発信できるのは田母神さんしかいないです。日本の教育を立て直す、田母神さんだけなんです」と厚い信頼を寄せた。

6日の選挙戦最終日の街頭演説で「皆さん帰ったら1人100票お願いしますよ。難しい人は99票お願いします」と最後までユーモアを忘れず親しみやすさをアピールした田母神氏。得票数250万票という目標を掲げ、17日間の戦いを最後まで駆け抜けた。
(フジテレビ社会部・都知事選担当 八十麻結良)