20年ぶりの新紙幣の発行が間近に迫る今、山形県内の店舗や施設での対応は進んでいるのか、現状を聞いてきた。
20年ぶりの新紙幣に不安
県内に20店舗を展開するスーパー「おーばん」。6月下旬にはすべての店舗で、店のレジが新紙幣に対応できるよう改修された。新紙幣発行を前に準備が整っている。
この記事の画像(6枚)おーばん山形東店・縄研史店長はレジの改修について、「レジのプログラムを更新するのみ。レジの機械を変えるのではなく、データの更新で対応している」と説明した。
レジの更新は、新紙幣の大きさや重さの情報を入れるなどして約1時間で完了。
準備は済んでいるものの、実際に新しい紙幣を使って試したわけではなく、店としては実物が出回るまで不安だという。
縄店長は「新紙幣の質感や、うまくお札が機械の中に入っていくか、お札を重ねたときにうまく吸い込んでくれるか、本物の紙幣を使わないことにはわからないことがたくさんある。出回った後、微調整のデータ更新は必要かと思う。20年ぶりの新紙幣ということで店側は不安が大きい。まずは出たとこ勝負、その都度トラブルに対応していきたい」と話した。
新しい紙幣が出回るまで、気の抜けない日々が続く。
半年前に依頼するも間に合わなそう…
一方、年間20万人を超える利用者に愛される日帰り温泉施設「百目鬼(どめき)温泉」では新紙幣の発行に備え、新しい券売機に交換しようと以前から準備はしていたそうだが、7月3日には間に合いそうにないという。
百目鬼温泉・高橋省悟代表取締役は「今年の初めころから手配はしているが、いろいろあって遅れている状態。業者さんから聞いているのは『船便が遅れている』」と現状を説明した。約半年前に依頼したが、交換は間に合いそうもなく、しばらくは今までの硬貨に交換するなどの何らかの対応が必要になりそうだ。
また、施設内には券売機以外にも4台の自動販売機があるが、こちらも新紙幣への対応の見通しは立っていないそう。
高橋代表取締役は「券売機もそんなに安いものではないので、こっちとしては余計なお金ですよね、200万円くらいかな。準備が間に合わず大丈夫なのかなというのが正直ある」と不安を口にした。
新紙幣発行に便乗した詐欺に注意
さまざまな不安は聞かれるが、新紙幣は7月3日から県内の銀行に引き渡される。取り扱いは山形銀行本店が7月3日午前10時ごろから、ほかの各店舗は4日から始まる。荘内銀行本店は7月3日午後1時ごろから、そのほかの店舗は4日から。きらやか銀行は7月4日からという。
7月3日まで対応が間に合わないところもあるが、新紙幣が出回ったからといって、今までの紙幣が使えなくなることはない。あらためて新紙幣発行に便乗した詐欺に注意したい。
(さくらんぼテレビ)