「家では集中できない」リモートワークの悩み

横山ルリカ リポーター:
いまピンクの服を着た男性が入ってきました。パソコンを開きましたね。周りの方もパソコンを開いて作業をされています

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みなさん真剣にパソコン作業をしているが、実はここオフィスではなくホテルである。 

東京都江戸川区にある「ホテル イルフィオーレ葛西」では、朝食などに使用している場所を日中は1時間272円(税別)でテレワークスペースとして貸し出している。

PR関係・40代女性:
家だと主人もいて、お互いの仕事がちょっと干渉しあってしまうところがあって

自営業・40代男性:
まだ子供が小さいので、なかなか(仕事に)集中できないというか…

企業が行った意識調査では、「リモートワークをする上で悩みがある」と回答した人は8割以上。その悩みの多くが「家では集中できない」というものだった。(ビズヒッツ調べ)

そんな中、政府が観光地などで仕事をしながら、休暇も楽しむワーケーションを推奨。いま働く場所が多様化し、変化しつつある。

そこで今回の「ココ調」は、仕事場は公園にリゾート!? みなさんがどうやって働いているのか調査する。

自宅・駅構内・カフェなど自分に合った場所で

まずは、街のみなさんがテレワーク中にどうやって働いているのかを調査。

建築関係・20代男性:
そろそろ会社の行き方を忘れるんじゃないか、というくらい行ってないですね。ずっとテレワークで腰が痛くなってきちゃって、いすを買いました

IT関係・20代女性:
自分のお部屋でやってます。楽譜とかが置ける譜面台を買って、それにいまパソコンを置いてます。立ってやると楽なので。それでやってます 

多くの人が自宅で工夫している中、こんな人も…

建築関係・20代男性:
オープンスペースみたいなところで、貸し会議室じゃないけどそういう場でやったことはありますね、テレワーク。

このように、自宅以外の場所でテレワークをしている人が増えている。

例えば、東京メトロの駅構内にある個室型のワークスペース「CocoDesk」は、1回15分250円(税別)から利用できるため、ちょっとした時間でも気軽に使用することができる。

続いてこちらの男性は… 

IT関係・20代男性:
カフェでパソコンいじったりっていうのはよくあります。気持ちを切り替えられる場所の方が、僕的には捗りますね

そんな中、7月30日にオープンした「スターバックスコーヒー CIRCLES銀座店」のターゲットは、“はたらく人”。

店内は半個室の席や商談可能なテーブルなど、ビジネス利用を意識した空間となっている。

防音個室・カメラを無料レンタルできるネットカフェ

さらに、SNSでは「気分転換にインターネットカフェでテレワークをした」という投稿を多数発見。 

ということで、都内のインターネットカフェに向かってみると…

横山ルリカ リポーター:
こちら「リモートワークに最適」と書いてありますね。 しかも、鍵つき完全個室ですよ

「グランサイバーカフェ バグース新橋店」では、6月からテレワークプランを開始。予約専用で、2時間910円(税別)〜となっている。

完全防音の室内では、ビデオ通話用のカメラを無料レンタルするなど仕事のしやすい環境作りを徹底している。

会社員・20代男性:
なかなかこういう所で防音ってないなと思っていたので、集中できますね

環境省も推進 公園でNO密テレワーク

続いて向かったのは新宿御苑。園内を歩いていると、パソコンで作業をしている人を発見したた。

お話を聞いてみると…

ココ調取材班:
いまお昼休みですか? 

美容関係・30代女性:
仕事しています。やっぱり外の空気を吸うと気持ちいいのと、あとカフェとかだと人が密集するのが嫌なので、こういった場所で仕事しています

こちらの女性は、公園でテレワークをしていた。この日は4時間程度、会社の資料作りをするという。

ココ調取材班:
暑くないんですか?

美容関係・30代女性:
逆にクーラーにずっと当たっている方がつらいので。ここは風がけっこう通るので、そんなに暑くないです

さらに、芝生の上やベンチなど、さまざまな場所で仕事をしている人がいた。

「逆に仕事を安心してできる」ワーケーションの1日に密着

実はいま、公園がテレワークの場所として注目されているのだ。

環境省は今年、国立公園でのテレワークを推進し、Wi-Fiなど通信環境の整備を進めている。さらに、政府の会見で注目されたのが 「ワーケーション」。

ワーケーションとは、仕事の「ワーク」と休暇の「バケーション」を組み合わせた造語で、観光地などでテレワークをしながら休暇も楽しむスタイルのことをいう。

このワーケーションについて、街ではさまざまな意見が聞かれた。

否定派・女性:
集中できないですよね。自分だったらたぶん遊んじゃう

肯定派・女性:
ちゃんと仕事もしつつ、リフレッシュ。私は賛成派です

肯定派・男性:
やれるならやりたいです

では、実際にワーケーションをしている人はどのような働き方をしているのだろうか?ココ調取材班は、千葉県南部に位置する南房総市を訪ねた。

今回は、神奈川県に住む松永さんご一家に協力していただき、その1日をウォッチングする。

まず午前中は、密になりにくい公園で家族サービス。そして、午後1時頃に予約していた宿泊施設「ル・ファーレ白浜」にチェックインをする。

ココ調取材班:
それ何ですか? 

松永智一さん:
こっちが着替えで、こっちがアイスボックス

ココ調取材班:
何のために?

松永智一さん:
キンキンに冷えたビール

そして昼食は、お母さんの手作り料理をみんなで食べる。一見ただの休日の家族のようだが、お昼ご飯が終わり、みんなで片付けを済ませたら、パソコンを開いて仕事がスタート。

松永智一さん:
子供たちと奥さんは遊びに行ってもらって、私はここで集中して仕事時間という風にしています。

コンサルティング会社に勤務する松永さん。午後2時ごろから4時間程度、プレゼン資料を作成。松永さんが仕事をしている間、子供たちはお散歩タイム。

松永智一さん:
自分は仕事で家族は近くで遊んでくれてたりすると、気分的にも安心感というか。逆に仕事を安心してできる

そして午後6時、夕食の時間。最後は、みんなでバーベキューを楽しんでウォッチング終了。

松永華ちゃん:
思った以上に楽しかった

松永智一さん:
本当に?

松永華ちゃん:
うん!

松永智一さん:
よかった

松永智一さん:
子供たちと私たちが両方とも同時にやりたいことがやれるっていう、そういう環境ってワーケーション独特のものだと思うんですね。これからもワークとライフのバランスをとっていけたらいいなと思います

多様化する働き方に専門家は…

ワーケーションに詳しい 山梨大学・田中敦教授:
リモートワークの経験を企業も働く人も重ね、その中で試行錯誤や工夫をこらしてきたと思いますので、改めてきっちりガイドラインを作る等で、多様な価値観に対応していくことが、企業としては今後もっともっと大切になると思います。

(「めざましテレビ」『ココ調』8月7日放送分より)

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