セブン&アイグループの店舗等に置かれている“ペットボトル回収機”を見たことはあるだろうか。

ここで、回収されたペットボトルは、新しいペットボトルや容器などにリサイクルされる。

特に、「ボトル to ボトル」は使用済みペットボトルを再びペットボトルへリサイクルする取り組み。

中でも、「一(はじめ)シリーズ(※)」は、店頭で回収されたペットボトルを100%使用した完全循環型(※)ペットボトルだ。
(※セブン&アイグループと日本コカ・コーラ株式会社の共同企画商品です。「一」と「はじめ」は The Coca-Cola Company の登録商標です)
(※本製品のペットボトルの原材料として、セブン&アイグループの店頭で回収された使用済みペットボトルをリサイクルしたPET樹脂のみを、100%使用していることを表します。)

この取り組みは、日本コカ・コーラとセブン&アイ・ホールディングスの連携による世界で初めて(※)の取り組みで、2019年から行っている。
(※2019年6月5日時点。日本コカ・コーラおよびセブン&アイHLDS.調べ。)

ペットボトル回収機
ペットボトル回収機
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フリーアナウンサー・平井理央さんが、実際に店頭にペットボトルを持参して、“手軽さ”を体験。

さらにこの仕組みが生まれた背景について聞いた。

平井さんも「簡単にできました!」

全国に展開しているセブン‐イレブンやイトーヨーカドーなど、セブン&アイグループ各店に設置されているペットボトル回収機は、2023年度時点で4000台以上(※)設置されているという。
(※ペットボトル回収機は、一部店舗に設置しています)

平井さんが回収機の体験をしたのは、神奈川県内にあるセブン‐イレブン横浜田奈駅東店。

セブン‐イレブン横浜田奈駅東店の回収機は店舗入り口横に設置されている
セブン‐イレブン横浜田奈駅東店の回収機は店舗入り口横に設置されている

店舗の入り口横に置かれているこの回収機、「何だろう?」と思ったことがある人もいるだろう。

回収の流れはいたってシンプルだ。

タッチパネルにタッチし、電子マネー「nanaco(ナナコ)」を持っている人は、そこにnanacoカードかモバイルnanacoをかざす。

持っていない人は、タッチパネルを再びタッチするだけ。

回収可能なペットボトルは2リットルまでの透明な容器のもの。洗ってつぶさずに持ってこよう
回収可能なペットボトルは2リットルまでの透明な容器のもの。洗ってつぶさずに持ってこよう

すると、投入口が開き、持ってきたペットボトルを入れる。

回収機から手を放すと、投入口が閉まり、中で「カシャッ」とペットボトルが圧縮される音がする。

圧縮されたペットボトル
圧縮されたペットボトル

平井さんも「簡単に回収できました!」と笑顔を見せる。

ここで回収されたペットボトルが原料として使われ、「一(はじめ)」シリーズの商品に生まれ変わるのだ。

「一(はじめ)」シリーズの商品ラインナップ
「一(はじめ)」シリーズの商品ラインナップ

なお、nanacoをタッチしてリサイクルすると、セブン‐イレブンでは、ペットボトル5本につき1nanacoポイントがたまる。

こうした“お得”な仕組みが、リサイクルをさらに加速させそうだ。

年間億単位のペットボトルを回収

この日、取材をしていたわずかな間にも、大きな袋いっぱいに持参してきた人など、ペットボトルをリサイクルしに来ていた人たちがいた。

回収機の存在の認知度の高さや、「ボトル to ボトル」が地域に根ざしていることがわかる。

この取り組みの反響について、同店店長・安達さんはこう話す。

セブン‐イレブン横浜田奈駅東店の店長・安達さん
セブン‐イレブン横浜田奈駅東店の店長・安達さん

「当店の回収機で回収されるペットボトルは1日あたり数百本にのぼります。社会的にSDGsの観点から、『みずからエコに協力できることが魅力です』といったお声もいただいています。

また、持ち込まれるペットボトルの多くが大変キレイな状態で、リピーターも多く、お客さまが環境について深く考えられていることを実感します。

ここに回収機があることで、店舗が地域のリサイクルの拠点になっていると思います」

回収されたペットボトルがまたペットボトルとして店頭に並ぶ
回収されたペットボトルがまたペットボトルとして店頭に並ぶ

グループ全体では、年間で約5億本相当(2023年度実績)ものペットボトルが回収されているという。

一(はじめ)シリーズの場合、1本あたりのCO2排出削減量は約60%(※)にも及ぶ。
(※原料採掘からプリフォーム(PETボトルの原型となる中間製品)製造の工程における削減率。一般的な石油由来のPET素材から100%リサイクルPET素材に切り替えた場合。日本コカ・コーラ社調べ)

さらに平井さんは「ボトル to ボトル」について、セブン&アイ・ホールディングス サステナビリティ推進部・小野真義さんにも話を聞いた。

店舗が「サーキュラーエコノミー」の拠点に

セブン&アイ・ホールディングス サステナビリティ推進部 小野真義さん
セブン&アイ・ホールディングス サステナビリティ推進部 小野真義さん

――「ボトル to ボトル」の取り組みから生まれた「一(はじめ)」シリーズについて教えてください。

2019年6月、「一(はじめ)緑茶」の発売からシリーズが始まりました。現在は、「ほうじ茶」「ジャスミン茶」とシリーズのラインナップが強化されています。

お客さまが回収にご協力してくださったペットボトルが「商品」となって、再びお客さまの手元に戻ってくる。この循環を実感していただくための象徴的な商品になっています。

完全循環型ペットボトルリサイクルの工程図
完全循環型ペットボトルリサイクルの工程図

――回収機に持って行った場所(店舗)で、生まれ変わったペットボトルを商品として買うことができると、「リサイクルした!」という実感が生まれます。セブン&アイグループが目指す「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」と通じるものがありますね。

資源を再生・循環させていくことは、持続的な社会の実現はもとより、持続的な企業の成長にとっても必要な取り組みです。

社会が出してしまったプラスチックをはじめとする資源は可能な限り使い切って、回収してリサイクルしていく。それが「サーキュラーエコノミー」になると考えています。

――御社ならではの取り組み・強みは何でしょうか。

私たちは、全国に約2万2000の「店舗」というお客さまとの「接点」を持っています。これは、それだけの責任が私たちにあるということを示しています。

お客さまと一緒にサーキュラーエコノミーを実現したい。ペットボトルの回収はその一環です。回収機は、2023年度までで4000台以上が設置されています。

アカチャンホンポでは使用されなくなった哺乳瓶を回収
アカチャンホンポでは使用されなくなった哺乳瓶を回収

また、イトーヨーカドーではご家庭で出た食用油(廃油)を、アカチャンホンポでは使用されなくなった哺乳瓶などを回収・リサイクルしています。

その上でペットボトルのリサイクル量はお客さまのご協力もあって年々増加しており、それらは新たなペットボトルだけでなく、グループのオリジナルブランドであるセブンプレミアムの肌着やサラダ容器の包材といったものに使用されています。

グループの各店舗が、サーキュラーエコノミーの拠点になればと私たちは考えています。

企業×お客さま×自治体×メーカー

――私が住んでいる地域はペットボトルの回収が週に1回で、家にたまってしまうことも多いです。ですが、このようにペットボトルが循環していることがわかると、自分がすべきことも明確になりますね。

大切なのは、企業だけではこういった取り組みの推進は難しいという点です。

リサイクルを実現するには、ペットボトルのキャップを外し、フィルムを外し、中をゆすぐといったお客さまのご協力が必要です。

また、自治体さまや飲料メーカーさまなどが一つになることも重要です。私たちはその一助を担えればと思っています。

――「お客さま参加型リサイクル」で、お客さまとともに「明日にいいこと。つなげる、つづける。」を実現していくということですね。最後に、今後の展望について教えてください。

セブン&アイグループは、解決すべき課題の一つを「お客さまとのあらゆる接点を通じて、地域・コミュニティとともに住みやすい社会を実現する」と定めています。

私たちは、これからも店舗や商品、サービスなどを通じて、お客さまと一緒に持続可能な社会を作っていければと思っています。

▶平井さんの動画を見る

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