視覚障害者を対象とした鉄道の利用講習会がJR山形駅で開かれた。参加者たちは、ホームからの転落を防ぎ、安全に列車に乗り込む方法などを学んでいた。

“安全な乗り降り”のポイント学ぶ

5月16日にJR山形駅で開かれた講習会は、視覚障害がある人に安心・安全に鉄道を利用してもらおうと、日本盲導犬協会仙台訓練センターが企画した。

JR山形駅で開かれた講習会の様子
JR山形駅で開かれた講習会の様子
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山形県内での開催は初めてで、普段から鉄道を利用している県内在住の8人が参加した。視覚障害者の鉄道利用には危険を伴う場面が多く、日本視覚障害者団体連合が2017年に行った調査では、回答した人のうち3割以上が「駅のホームから転落したことがある」と答えている。

講習会では実際に列車を使用し、乗る際のつえの使用についてレクチャーを受けた。

レクチャーの様子:
プシューッと開いた音などで、ある程度ドアの位置はあたりをつける。白杖(はくじょう)の場合は、つえを左右に振ってホームの方に近づく。ヘリの所でつえ先がストンと落ちるので、そのあと、つえをちょっと奥の方にはね上げるようにして車体に当たることを確認する。これが大事なポイントです

列車を触りながら進んでいく方法をレクチャー
列車を触りながら進んでいく方法をレクチャー

常に列車に触れながら進んでいくという方法だが、触っていくと列車がスッと切れる部分がある。「ここがドアなんだ」と思い乗ろうとすると、そこは連結部分だった…ということも。白杖を持つことの大事さがわかる。

参加者は、ホームでは点字ブロックの内側を歩くこと、列車に乗る際は白杖で列車とホームの隙間を確認し、必ず車体を触ってから一歩で乗り込むことなど、安全に列車に乗り降りするためのポイントを学んでいた。

このほか、券売機の音声案内機能を使って、ボタン操作で切符を購入する方法も教わっていた。

参加した人:
基本的にはJRの駅員さんにサポートしてもらうが、列車の乗り降りの際、足を滑らせるとか、仲間の中にはホームの間にズボッと落ちてしまった人もいるので、乗り降りが一番神経を使う。教わったことをしっかり実践していけば、かなり安全に鉄道利用ができると思う

日本盲導犬協会仙台訓練センター・笹山夕美絵さん:
ちょっと見えづらいという方でも、駅の構内では白杖は持っておいていただけると。足元に電車と駅のホームの隙間があったり、ちゃんと地面があるかなというのを確認して乗り降りしてほしい

協会では「周りのサポートも大事なので、困っている人を見かけたら声をかけてほしい」と話している。

(さくらんぼテレビ)

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