福島県南会津町の山間で複数の男が住宅に押し入り、寝ていた女性を縛って現金を奪う事件が起きた。事件の発生時刻は未明の午前0時頃とみられていて、街灯のない現場周辺は暗闇に包まれていた。手口の似た事件は他県でも相次いでいて、警察は広域強盗事件として共同で捜査を進める方針だ。
片言の日本語
南会津町の中心部にある会津鉄道の会津田島駅から約7キロ南に離れた所にある、藤生(とうにゅう)地区で事件は起きた。60代女性が1人で暮らすこの住宅に複数の男が押し入ったのは、5月14日午前0時頃だった。
「カネハドコダ」「カネカネ」
片言の日本語で脅した外国人とみられる複数の男は、女性の財布から現金1万数千円を奪い逃走した。

頬に刃物の感触
捜査関係者によると、複数の男は住宅の窓を割って侵入。布や布団で女性の視界を奪い、粘着テープで手首を縛り、口もふさいだという。手首などに軽い切り傷を負った女性は、男が逃走した後、近くの人に助けを求めた。住民によると、近くの住宅まで助けを求めにきた被害女性は、懐中電灯を手に暗い道を走ったという。

助けを求められた男性は「粘着テープで手とか目隠しされて、そして金を出せとか、頬に何か刃物みたいなの触られた感じがしたそうです。やっぱりびっくりして、震えながら、助けてって来た感じで」と話す。

事件を受けて下校時の警備を強化
事件現場から約1キロ離れた、児童約60人が通う荒海小学校。警察官や地区のボランティアなど約50人が下校を見守った。荒海小学校・星英典校長は「何かあった時には一番被害をこうむるのは幼くて力のない子どもたちだと思いますので、まずは地域の宝である子どもたちのために、大人としてできることみんなでやっていこう」と話した。

栃木・長野・群馬でも同様の事件
住民に不安を与える同様の事件は他県でも起きていて、5月6日には長野県松本市で男二人が山あいの住宅に押し入り、現金十数万円を奪う事件が発生。さらに、4月30日には栃木県、5月8日には群馬県で強盗事件が発生していた。

4つの共通点
いずれも山間の住宅で夜間に押し入る犯行であること。男が2人組で、被害者の体を縛って財布を奪っていることなど共通点があった。
また警察によると、福島県での事件では外国人とみられる複数の男が関与したとみられているが、長野県の事件でも現場で犯人が外国語を話していたといい、警察は同一犯の可能性も視野に捜査が進められる。

警察は広域強盗事件として、4つの県警での共同捜査を視野に入れている。
(福島テレビ)