先日、リニア中央新幹線の2027年開業を断念したばかりのJR東海に降って湧いた急展開。
工事に反対していた川勝平太静岡県知事の突然の辞意表明から2日経った4日、JR東海が会見を開いた。

JR東海「全力で取り組んでいきたい」

午後3時過ぎ、JR東海静岡支社で開かれた会見。

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同社中央新幹線推進本部の沢田尚夫副本部長は、「辞任されることに関して、我々としてはコメントする立場にないと考えてございます」と述べた。

その上で、「静岡工区含めて中央新幹線の早期の開業に向けてやっていくということには何ら変わりない。全力で取り組んでいきたい」と話した。

辞任の最大の理由について職業差別ともとれる発言ではなく、リニアの開業延期だと主張した川勝知事は3日の会見でこう話した。

「県民の皆さまと約束したリニア問題について、一里塚をしっかりこえて、これが一番大きかったということ」

工事を止め続けたともいえる知事のこの発言に、リニア停車駅の名古屋でリニアのグッズを販売しているセレクト土産物店「オミャーゲ名古屋」の堀江浩彰さんは、「ずっと引っかき回している印象ではありましたので、遅れさせたことがゴール地点になるのではなく、進めるためのスタート地点まで持って行ってほしかったと思う。この一週間でがっかりしたり、喜んだり、前に進むことがうれしいなと思った」と複雑な心境を吐露した。

相模原市民「(土地が)高騰するんじゃないかなと」

突然訪れたリニアの“転換期”に期待する人は神奈川県相模原市にもいた。

リニアが開業すると、品川駅の次に停車する駅ができるJR橋本駅付近。工事中の駅は高い壁で覆われていて、中を見ることはできないが、駅前を中心に開発が進んでいた。

相模原市民に話を聞くと、「(土地が)高騰するんじゃないかなと、早めに家を購入しようかなと思って」「若い人たちも多く来られるようにデパートとかもできたら面白い」「もっと便利になってくれたらうれしい」といった声が聞かれた。

遅れていたリニアの開業は、川勝知事の辞任で加速するのか。
(「イット!」 4月4日放送より)