青い海に足首まで浸かり、楽しそうにポーズを取る2人の日本人女性。
これは、“天国に一番近い島”ともいわれる、南太平洋のフランス領・ニューカレドニアで撮影された写真だが、楽しいバカンスのはずが、今は一変し、厳しい生活が続いている。
“天国に一番近い島”が一変…暴動で日本人が約50人足止め
この記事の画像(36枚)ニューカレドニアの中心部・ヌメアで5月13日、大規模な暴動が発生した。これまでに憲兵を含む6人が死亡、約270人が逮捕された。
現在も暴動は治まらず、空港は閉鎖されたままで、日本人旅行者が約50人足止めされる事態となっている。
「イット!」では、ニューカレドニアの離島 イルデパン島に取り残された日本人旅行客を取材し、現状を聞いた。
今回、友人と観光のため島を訪れたAさん(25)は、5月11日から15日までの3泊5日の予定だったというが・・・。
島に取り残された旅行客Aさん(25):
13日の朝ですかね、ホテルをチェックアウトしようと思ったら「もうすべてのフライトキャンセルだよ」っていうのを突然言われて、イルデパンの島から出られない状況になってしまった。
ニューカレドニアの航空会社によると、空港は25日まで閉鎖される見込みのため、Aさんたちは、合計13泊の滞在を余儀なくされているという。
追加で発生する費用は、ホテル代だけで約50万円以上になり、さらに食費(昼食・夕食)は1日あたり、約1万円かかる。合計で60万円以上の出費になるという。
さらに、ホテルでの朝食にも暴動の影響が…。
島に取り残された旅行客Aさん(25):
最初は朝食はビュッフェスタイルで、パンとかフルーツがすごい多く並んでいってたんですけど、オーダー式になりました。2日前とかには果物も一人当たり2切れとかあったんですけど、スイカも、もともと大きく三角の一切れだったんですけど、ちっちゃい丸のボウルに変わっていったりとか、ホテル側も節約しているんだっていうのが伝わるような状況です。
「誰か助けに来ることだけを待ち続けている」切実な思いを語る
暴動以降、イルデパン島のガソリンが枯渇している。そのため本島への移動が困難になり、食料などが届かず、備蓄でやりくりする日々が続いているという。
Aさんが滞在するホテルには、アメリカ人やオーストラリア人など約30人の観光客が取り残されていうが、島にいる日本人はAさんたちだけだ。
島に取り残された旅行客Aさん(25):
私たちだけ島に日本人がとり残されてしまってるので、いつ迎えが来るのかも分からない中で、毎日お金も飛んでいくので、いつまで状況続くのかが分からないのが一番不安ですし。
さらにAさんは「離島に誰か助けに来ていただけることだけを祈って、待ち続けているので、どうかよろしくお願いします。」と切実な思いを話した。
こうしたなか、オーストラリアとニュージーランド政府はニューカレドニアから、旅行中の自国民を退避させるため、航空機を派遣することを明らかにした。
さらに、早期の出国を希望している数名の日本人についても、オーストラリアの協力を得て、出国する方向で調整している。
(「イット!」5月21日放送より)