新年度に合わせ、運送業界などでは時間外労働の上限規制が始まる。いわゆる「2024年問題」。働き方改革で、多くの業種では、時間外労働の上限が原則「年間360時間以内」とされているが、運送業や建設業、医師などは、これまで猶予されてきた。

4月1日から適用され、トラックやバス、タクシーの運転手を含む運送業は、原則、月45時間・年360時間以内などと上限が設けられる。労働環境が改善される一方、物流や公共交通への影響が懸念されている。バス業界ではおりからの運転手不足に加え、2024年問題で、より運転手の確保が難しくなり、各地で減便が相次いでいる。長野市街地を走る「ぐるりん号」も1日から便数が半減した。

市街地を走る循環バスが減便
長野駅を出発し権堂や善光寺大門、長野県庁などを回る循環バス「ぐるりん号」。これまで、15分間隔・一日38便を運行し、1回190円で乗り降りすることができるため、市民だけでなく観光客にも重宝されてきた。
しかし、1日から運行は30分間隔に。便数も15便と半減した。

利用者の減少、運転手不足
理由は、利用者の減少と運転手不足だ。
コロナ禍前の2019年度は18万3000人いた利用者は2022年度は13万1000人まで減少。
また、高齢化や残業が制限される2024年問題などの影響で、バス会社の運転手不足が深刻化している。
こうした背景から、運行を委託されていたアルピコ交通が撤退し、長電バスのみで運行を続けることになった。

「残念」「不便」戸惑いの声
利用者からは、「すごく便利で15分おきだったので、そんなに待たないでいいかなと、ちょっと残念。でもしょうがないかな」、「ちょっと不便かな」、「(育休中で)仕事に復帰した時にバスで行っていたので、減便しているのであればどうなるのかな」など、戸惑いの声が上がっている。

相次ぐバスの減便
バスの減便はほかにも相次いでいて、アルピコ交通は3月末で長野・松本間の高速バスを廃止。
長電バスは1月から長野営業所管内で路線バスの日曜運休に踏み切った。
また、上田市でも1日から路線バスが減便されている。

(長野放送)