小林製薬の「紅麹原料」を使ったサプリメントで「腎疾患」などの健康被害が相次いでいる問題で、28日午後2時ごろから、調査状況などについて説明するため、小林章浩社長らが会見を行っている。先週金曜日22日に初めて記者会見が開かれ、29日は2回目となる。

小林社長は会見冒頭で「まずはお亡くなりになりました。お客様のご冥福をお祈りし、ご遺族の皆様に心からお悔やみ申し上げます。また、現在も入院中、治療中の方が数多くおられることも承知しております。一刻も早いご回復をお祈りしております」と話したうえで、「深刻な社会問題にまで、招いてしまったことにつきまして、改めて深くお詫びを申し上げます」と謝罪した。

会見の中で、「紅麹」サプリとの関連が疑われる症状を訴えて通院したり、入院している人は680人いると明らかにし、通院や入院の費用を小林製薬が負担すると明らかにした。

小林製薬の会見 29日午後2時ごろ
小林製薬の会見 29日午後2時ごろ
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これまでに、小林製薬の「紅麹原料」を使ったサプリ「紅麹コレステヘルプ」を摂取していた5人が死亡し、腎疾患などで入院した人は114人に上っている。サプリと死亡の因果関係については不明だ。

■「未知の成分」まだ解明できず

小林製薬は、「紅麹原料」に含まれる「未知の成分」が腎疾患の原因となった可能性を否定できないとしているが、29日の会見でも、まだこの「未知の成分」の特定に至っていないと報告している。

「未知の成分」が含まれているサプリの製造時期は去年4月から10月、出荷時期は去年7月から12月だということだ。

小林製薬は、29日の会見で「『未知の成分』の構造までは、大分判明してきているものの、28日に厚労省と協議し、今後は小林製薬1社で判断するのではなく、国の研究機関とともに解明を進めていくことになった」と説明していて、国の研究機関にデータを提供しながら迅速な解明を進めていくとしている。

小林製薬の会見 29日午後2時ごろ
小林製薬の会見 29日午後2時ごろ

小林製薬には、2月上旬までに、複数人から腎疾患の症状について申告があったが、調査などに時間がかかり、1カ月以上経った22日の会見で初めて事態を公表した。

「紅麹原料」を使った商品の自主回収や販売中止は、FNNのまとめでは60社以上に広がっている。厚生労働省は小林製薬が紅麹原料を卸している52社と、そこから仕入れている173社に対して自主点検と報告を求めた。

■大阪工場は閉鎖 衛生状況などの確認困難

小林製薬が本社を置く大阪市は、食品衛生法に基づき「紅麹コレステヘルプ」、 「ナイシヘルプ+コレステロール」、「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD(ゴールド)」の3商品、約100万個を回収するよう命じる行政処分を出している。

しかし、小林製薬が「紅麹原料」を製造していた大阪市内の工場は、去年12月に既に閉鎖していて、衛生状況などの確認が難しいということです。製造拠点はその後、機械ごと和歌山県内の工場に移っているが、小林製薬によると、移転先で「紅麹原料」の製造は行っていないということだ。

一方で、回収対象の商品(サプリメント)を製造していた岐阜県内の工場には、大阪市から依頼を受けた岐阜県の保健所が立ち入り検査に入っている。

関西テレビ
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