小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」を原料とするサプリメントを摂取した人に腎疾患の症状が確認されている問題で、大阪市は27日にも行政処分を出す方針だ。また、小林製薬は4月1日の入社式を中止すると発表した。
小林製薬を大阪市が行政処分へ

厚労省によると、小林製薬が販売していた紅麹(べにこうじ)を原料とする機能性表示食品「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」を摂取した2人が死亡したことが明らかになっている。

腎疾患などの症状を訴えて入院したのは106人で、小林製薬の相談窓口には3600通のメールが寄せられているという。

この問題を受け小林製薬は、4月1日に大阪市内のホテルで開催を予定していた入社式を中止すると発表した。

また厚労省は26日大阪市に対し、食品衛生法に基づき「紅麹コレステヘルプ」を含む3つの商品の廃棄命令などの措置を取るよう通知した。
関係者によると、大阪市は27日にも小林製薬に対し廃棄命令などの行政処分を出すという。
小林製薬は28日、大阪市内で株主総会を開く予定だ。
北海道の菓子店でも“紅麴”商品 自主回収

一方、北海道旭川市の菓子店でも小林製薬の「紅麹」が商品に含まれているとして自主回収を発表した。

菓子店を経営する「ロバ菓子司(かし つかさ)」によると、「丘の上の菓子工房The Sun蔵人(ザ・さんくろうど)」で売った4種類の菓子の販売を中止し、「お召し上がりにならず、最寄りの直営店までお持ちいただくか、お問い合わせ下さいますようお願い申し上げます」と呼び掛けている。
「安全に対する懸念で深刻」
これを受け林官房長官は、問題は深刻だとして「関係省庁が一丸となって食の安全にとり組む」と強調した。

林官房長官:
お亡くなりになった方とご遺族にお悔やみを申し上げると共に、健康被害を受けられた方の1日も早い回復をお祈りする。機能性表示食品の安全に対する疑念を抱かせる深刻なものだ。

政府は27日午後、厚生労働省、消費者庁など関係省庁の連絡会議を開催する予定で、林長官は「関係省庁が一丸となって、食の安全に全力を尽くしていく」と強調した。