自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。

「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家が注目したのは、こんなお話。

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「楽しく食事できるのはいいけれど、そろそろ“つかみ食べ”は卒業させたい!でも、カトラリーの使い方や“テーブルマナー”って何歳くらいから覚えさせればいいの?」

子どもたちが幼稚園や小学校に通い始めると、お弁当や給食など「人前で食事する機会」が増えるもの。
そんな機会にそなえて、そろそろ「つかみ食べ」や「遊び食べ」を卒業させたい。スプーンはうまく使えても、お箸はちょっと苦手だから練習したい。そして「肘をついて食べない」「席に座って静かに食べる」などの“テーブルマナー”も覚えてほしい…でも、無理に練習させたらそもそも楽しいごはんの時間を嫌いになってしまわない?

子どもたちの年齢に合わせたカトラリーの扱いやマナーの身につけ方、ごはんタイムを嫌いにならない工夫を知りたい!育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。

お箸は小学生までにマスターを目指そう!

――「つかみ食べ」「遊び食べ」はいつ頃卒業させるべき?

卒業の時期に関しては、赤ちゃんの手先の動きの成長も踏まえると、だいたい3歳くらいをめどに進めているご家庭が多いように思います。
ただ育児の常で個人差があるので、厳格にこだわってしまうと逆に食事の時間がストレスになるので望ましくありません。中には、手づかみしたときのベタベタ感が嫌で、つかみ食べを経ずに行く子もいますので、親の想定通りに進まない可能性があることも知っていてほしいと思います。


――スプーンやフォーク、お箸などの使い方を教えておきたい目安は何歳ごろ?

カトラリーが使えるかどうかは、赤ちゃんの指先の微細運動の成長が関係しています。指先がどれだけ器用に動かせるかということですね。 
赤ちゃんが片方の手で物をつかめるようになるのはだいたい8か月前後なので、つかんで食べるようになるのもそのくらいからです。離乳食を始めて少ししてスタートというのが一般的な流れで、その後はスプーン・フォークに移行していきます。

【スプーン・フォークは「3歳くらい」】
1歳~1歳半頃に始める方が多いようですが、すぐにマスターできるわけではないので、2歳の間はカトラリーと手づかみを並行して進めます。3歳くらいにスプーンとフォークに慣れている状態を目指すというのが一般的な流れかと思います。 

【お箸は「4歳前後」​】
お箸はスプーンやフォークに比べて扱いが難しいので、4歳前後で始めることが多いようです。小学生になると給食でお箸を使うことになるので、それまでに使えるようになるというのを目標にすると良いのではないでしょうか。はじめは矯正箸のような補助アイテムを活用するのも人気ですね。


――「つかみ食べ」「遊び食べ」自体は、悪いことではない?

「つかみ食べ」や「遊び食べ」は子どもの成長に良いものとして取り入れているご家庭は多いと思います。厚生労働省の資料でも「手づかみ食べ」は、食べ物を目で確かめて、手指でつかんで、口まで運び口に入れるという目と手と口の協調運動であり、摂食機能の発達の上で重要な役割を担うと書かれています。「つかんで食べる」という一連の流れが五感を働かせ、自ずと脳を刺激しているのがわかります。 

テーブルマナーは「言葉が通じる前から」が良い?

――何歳ごろからどんな“テーブルマナー”を学ばせるのがいいの?

「席に座って食べられるか」というのは、外食の場面で大きく響くことになるので、特に大事だと思います。  

離乳食を始める段階で、赤ちゃん専用のイスにしっかり座らせ、大人の食卓テーブルの高さに合わせて食事をする。これ以外の食べ方を知らなければ、食事とはそういうものだと学びやすくなります。逆に、赤ちゃん時代に「どういう形であれ、食べればOK」としてしまうと「3歳になったらちゃんと座って食べなさい」としてもうまくいきませんので、「〇歳になったら教える」という類のマナーではなく、はじめからそれでスタートするのが望ましいと思います。 

他にも「食事中はテレビを見ない」のようなマナーは、言葉が通じる前の時期から自然に浸み込ませるのがベストです。

外食の際に立ち歩きをしてしまうと、結局「イライラして楽しめない」という声をよく聞きます。周りの方に対してもそうですが、結果的に自分に返ってきてしまうことなので「席に座って食べる」というのは、テーブルマナーの中でももっとも教えていきたいものだと思います。 

私は以前フランスに住んでいたことがあるのですが、子どもたちはかなり長い時間、座って食事をすることに慣れているなぁと感じていました。私自身も当時子育て中でしたので、余計に目に留まったのだと思います。そこで知り得たのは「赤ちゃんのときから座って食事をさせている」ということです。フランスは床にペタッと座る文化ではないので、必ずイスが必要になる分、「当たり前」のことをしているに過ぎないのかもしれませんが、やはり赤ちゃん時代からの習慣は身につきやすいのだと思います。


――厳しくしたらごはんの時間が楽しくなくなってしまうかも…どんな風に教えていくのがいい?

たしかに、テーブルマナーは数々あり、どこまでこだわるかはご家庭によって大きく違うと感じています。「食事中はテレビを見ない」「肘をついて食事をしない」「口に食べ物があるときにしゃべらない」「食事中に汚い話はしない」など、注意したいことはたくさんあるかもしれません。

しかし、食事中に親が子どもの動作を事細かく注意しすぎると、食事中の会話が途切れ、険悪な雰囲気になり、しーんとしたまま食事をすることになるなど、悪い方に転がってしまうこともよくあるものです。実際に「せっかくの食事の時間なのに夫が口うるさく言うから台無しになる」「子どもが逆に食べなくなった」「席を立ってしまう」などの声も聞きます。

「座って食べる」や「食事中はテレビを見ない」のようなマナーは、たまにテレビをつけるなどの例外を作るとそこから脱線しやすいので、親の方が脱線せずに遵守することで実現がしやすいと思います。

一方「肘をついて食事をしない」「口に食べ物があるときにしゃべらない」「食事中に汚い話はしない」のような子どもの動作にこだわる場合は、「肘つかないで食べられているね」など、できているときにしっかりそのことを肯定することも大事なポイントです。子どもは四六時中NGのマナーで食べているわけではないので、できている瞬間をきちんと拾って言語化し、そこから育てていけると、食事の時間の空気も穏やかにキープしつつ、マナーも少しずつ改善できると思います。


――これまでテーブルマナーを教えてこなかった…明日からしっかり練習させたい!という時はどうすればいい?

いきなり完璧を求めるとうまく行かないので、まずは「これからは姿勢よく食べる練習をしようね」などと今後の見通しを言葉で示しつつ、上記のように“褒めベース”で並走するのが望ましいです。たとえ背筋がピンと伸びていなくても「昨日よりはちょっとマシ」の段階で「姿勢よくなってる!」と声をかける感じです。

習慣を変えるのは時間がかかるため、親からすると「わかってない」「またやってる」と映り、つい小言をぶつぶつ言ったり、強く叱ったりしたくなりますが、それをやってしまうとやる気が削がれ、変化のスピードが落ちるので、即効性を求めないことが大事になります。

つかみ食べや遊び食べは子どもたちの成長に良い影響もあるため、特別急いで卒業させなくてはいけないというわけではない。ひとつの目安として、小学校でお弁当や給食を食べる機会が増える6歳ごろまでに「お箸を使えるようになる」のが良いだろう。

そして、テーブルマナーについては、「〇歳ごろから教える」というよりは「小さいころから自然と身につくように教える」のが良いそう。けれど、「これまで教えてこなかった!もう手遅れかも…」と焦らなくても大丈夫。これから子どもたちに教えたいテーブルマナーがあれば、パパママが毎日の見本になりつつ、子どもたちがきちんと守れていたらしっかりと褒めてあげることが大事だ。

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・「もういらない」と言ったから代わりに食べたおやつ。「やっぱり食べる!」と言われて大慌て…同じものを用意しても「さっきのがいい!」と泣かれて大苦戦!
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などなど、あなたの「育児あるある」に隠された子どもたちの気持ちを探ってみませんか?

※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。