山形県産果物の情報発信拠点「フルーツ・ステーション」の関連事業費を盛り込んだ、県の新年度予算案について、県は3月14日、予算案を撤回する方針を固めた。県議会の常任委員会での否決を受けたもので、事業費の一部を削った修正案を15日の議会に提出する考え。

自民党「事業効果や進め方を疑問視」

山形県が事業化を目指す県産果物の情報発信拠点「フルーツ・ステーション」は、山形・寒河江市に拠点施設を整備し、あわせて県内各地にも拠点を設けネットワーク化を図るもの。

この記事の画像(5枚)

県が負担する事業費は8億4000万円とされ、新年度当初予算案には事業者の公募やネットワーク化の調査検討などの費用、約4800万円を盛り込んでいた。

この計画に対し、県議会で過半数を占める自民党は効果や進め方を疑問視し、予算案は13日、農林水産常任委員会で賛否が割れる中、否決される事態に至った。予算案審議の先行きが不透明となる中、県は14日、予算案を撤回する方針を固め各会派に伝えた。

この対応について吉村知事は、「当初予算の不成立という県民への不利益を避けるため」と理由をコメントしている。

自民党県連・森谷仙一郎幹事長:
執行部の賢明な判断。否決のあり方をいろいろ考えた。さまざまな県民の声が我々の後押しになった。

一方、吉村知事を支持する県政クラブの木村忠三代表は、「政局よりも県民を第一に考えた判断。今後もフルーツ・ステーション事業の成功に向け、吉村知事や県を支えていく」とコメントしている。

県は15日、ネットワーク化に向けた調査検討費用約4800万円を削った修正案を、議会に再提出するとしている。県が予算案を撤回するのは、2022年の2月定例会に続いて2回目で、2年前も今回と同じ県産果物の情報発信拠点施設への自民党の反発が原因だった。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
さくらんぼテレビ

山形の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。