パリ五輪日本代表の「3人目」に選ばれたニューヒロインが、強さの秘密を明かした。
今年1月、およそ2年におよぶ「パリ五輪代表選考レース」を終えた日本卓球の選手たち。男女それぞれ3人までが日本代表として出場できるなか、シングルス戦の2枠は先に決定(男子:張本智和・戸上隼輔、女子:早田ひな・平野美宇)。
団体戦に出場する「3人目の日本代表」に選ばれるのは誰か、注目が集まっていた。

2月5日、運命の発表の日。女子では東京五輪メダリストの伊藤美誠(23)に競り勝ち、張本美和(15)が3人目に選ばれた。男子のエース・張本智和(20)の妹だ。
わずか2年 ランク624位から16位へ
張本美和は、昨年9月、アジア大会の女子ダブルスで木原美悠(19)とペアを組み出場し、元世界王者の中国ペアを破る大活躍で銅メダル。
さらにシングルスの世界ランキングでは、2年前の624位(2022年3月)から16位(2024年2月現在)へと、600以上も大幅にジャンプアップし、オリンピック日本代表に初選出された。
”卓球大国”・中国を倒すべく、活躍が期待されている「シンデレラガール」だ。
日本卓球初「きょうだい」で五輪出場へ
代表発表から3日後、今月8日に行われた公開練習では、張本兄妹がそろってメディアの前に登場。日本卓球史上初となる「きょうだいでの五輪出場」について語った。

兄・智和:
その日の(女子代表3人目の)発表を心待ちにしていて、Xを1分ごとに更新していました。僕も喜びをかみしめました。
妹・美和:
「おめでとう〜」と兄からLINEが来て。ありがとうございます!って感じでした。
兄・智和:
落ち着いたら、家族でお祝いしたいですね。

妹・美和:
焼肉とかしゃぶしゃぶに行きたいです!
兄の隣で、妹は嬉しそうに微笑んだ。
妹から見た「兄に負けないところ」
そんな女子卓球界のホープ・張本美和の強さを探るべく、佐久間みなみアナウンサーが直撃した。

佐久間アナ:
兄・智和選手のプレー面で尊敬するところと、逆にここは自分も負けていない!と思う部分を教えてください。
妹・美和:
兄のすごい点は、バックハンドとチキータ(※バックハンドで攻撃を仕掛ける打法の一つ。主にレシーブで使われる)です。1つ1つの精度を自分も目標にしていますし、すごく尊敬しています!逆に、負けない部分でいうと「バックハンドとフォアハンドの安定性」がお兄ちゃんよりは良いんじゃないかなって自分は思います。

この美和の自己分析コメントに、兄・智和も同調する。
「妹の(フォアとバック両方の)技術をつなぎ合わせる力は、試合を見ていてもすごく強い。妹のストロングポイントだなと思うので、僕も学ぶ点が多いです!」
利き手側のボールを打つフォアハンドと、利き手と逆側のボールを打つバックハンド。美和の場合は両ハンドともに「安定」しているという。

実際、昨年11月のパリ五輪代表選考会・女子決勝の映像をもとに検証してみると、美和は高速ラリーの最中でも、両ハンドを器用に織り交ぜて返球している。
この決勝で美和がフォアハンドから得点を奪った回数が33回、バックハンドは29回。

両ハンドどちらからでも安定して得点を奪い、女子のエース・早田ひな(23)を破り日本一に輝いた。
「いい意味で15歳として見ていない」
卓越したプレーでオリンピック日本代表の座を射止めた15歳。そんな彼女について、パリ五輪代表のチームメイトたちはこう語る。

早田ひな:
私生活でも人としても、もちろんプレーでも、いい意味で15歳という感覚で見ていないです。いちばん年下のメンバーですが、対等だと思っています。

平野美宇:
(美和選手は)すごくしっかりしていますね。プレーも大人顔負けだと思うので、オリンピックに向けてどういう試合になるか、すごく楽しみです。
“天才少女”との呼び声高いスーパー中学生。その評価はいずれも「15歳の中学生選手」とは全く見ていない言葉ばかりだ。

兄・智和:
(美和は)いい意味でライバルというか、お互い切磋琢磨して”競い合う仲間”だと思っています。
妹・美和:
私も五輪にずっと出たいと思っていたので、やっと出られるという気持ちです。負けないように頑張りたいです。

早田、平野に続く「3人目の日本代表」として、パリ五輪の団体戦に挑む張本美和。
そんな彼女は、16日(金)から韓国で行われる世界選手権団体戦に初出場する。夏の本番・パリ五輪を前に、どんな戦いぶりを見せるか注目だ。
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2月17日(土)24時35分から
2月18日(日)23時15分から
フジテレビ系列で放送