まだ2月だが、すでに春のきざしがやってきている。
今週の気温は、平年よりもかなり高くなっていて、13日も暖かかったのだが、14日、15日はなんと4月上旬並みの気温となり、2カ月ぐらい先の気温を先取りするような状況になりそうだ。
暖冬の影響で懸念されるのが、水不足だ。
■深刻な水不足で漁ができない

「近畿の水がめ」とも呼ばれる琵琶湖では、この冬、降水量が少なかったことから水位が急激に低下し、2023年12月には、普段は水面に隠れている島に続く小道が現れるなど、珍しい光景もみられた。
滋賀県によると、13日朝時点での琵琶湖の水位はマイナス55センチで、いまも例年と比べて低くなっている。
この状況に苦しめられているのは、地元の漁師だ。琵琶湖で30年以上にわたり漁を営んできた今井政治さん。この時期は、アユの稚魚がよく取れるそうだが、琵琶湖の水位の低下が原因でここ20日間、漁を休まざるをえなかったということだ。
漁師 今井政治さん:水位が上がってこないと、定置網は魚が寄ってこない。こんなこと初めてです、30何年やってるけど、休むっていうことはしなかった。このままの状態だと、来年にも影響してくると思う。
深刻な水不足は今後も、多くの人の生活に影響するのだろうか。
■これから雨は降りそう でも雪が少なく夏の水不足が心配

琵琶湖の水不足に及ぼす、暖冬の影響を片平敦気象予報士が解説する。
漁ができないというのは、本当に死活問題で、これからまとまった雨が降れば、例えば水位は元に戻るというか、上がるのだろうか?
気象予報士 片平敦さん:これから先、春の雨の量降水量は平年並みか平年よりも多めの予想になっています。多いから回復するかと思いきや、実は降水量は雨だけではなく、雪も関わっていて、ことしは暖冬で雪が積もっている量が少ないんです。実は、琵琶湖に流れ込む水は、春先は雪解け水が多いのです。いわば山に雪という形で水がキープされていて、ダムみたいな形で溜まっていて、冬の間に降った雪が溶けて流れ込んでくるので、暖冬で雪が少ない。雪が少ないと雪解け水が少なくなって、春の雨の量が多少多くなっても、今まで雪が降ってない分の追加がありません。そう考えると、水不足のまま梅雨、夏まで影響してしまうかもしれないです。そうなると、春や初夏になって水が必要なのは、田んぼとか農業用水です。ここが足りなくなってくるのではないかということをすごく心配しています。
■暖冬の影響は桜にも 暖冬が「ブレーキ」に

視聴者から質問。
‐Q:桜の開花はいつぐらい?
片平敦気象予報士:暖冬ということは、春が来るのが早いので、いつもの年よりも若干早めですが、めちゃめちゃ早いとならないのは、実は冬が寒くないと桜って目覚めないんです。程よく寒くて、春になってグンと暖かくなると、ばっちり早く目がさめるのですが、暖冬のせいでむしろちょっとブレーキがかかっている状態です。春も暖かいので、春は早い方に行きますが、その分トータルすると去年は記録的に早かったので、それに比べればちょっと遅いかな。関西このあたりはだいたい3月22日、23日ぐらいなので、いつもの年よりもちょっと早いかなという見通しです
‐Q:桜の花に影響は?
片平敦気象予報士:一斉に咲くのが桜の魅力の1つですが、あまり暖冬がきついと、バラバラに咲いてしまうことがあり、なかなか満開にならないということもあります。長く楽しめる可能性もありますが、春が暖かすぎると、一気に咲いて、一気に散ってしまうこともあるので、果たして4月いつぐらいまで持つのかなというところです。
■猛暑日に悩まされそう 5月の熱中症に注意
‐Q:ことしも猛暑日に悩まされる?
片平敦気象予報士:これはズバリ、悩まされると思います。やっぱり温暖化が進んでいて、そもそも夏の気温がずいぶん高くなっているということが、ベースにあります。この夏も冷夏になるかというと、そんな予想はなかなか立てにくいので、それこそ早ければ4月、5月ぐらいには暑いという日が出てくると思います。毎年のように、5月に熱中症の被害などがあるので、気が早いですけど、今年も早めに暑さ対策をしてほしい。そんな夏になるのかなと思います。
(関西テレビ「newsランナー」2024年2月13日放送)