ドラマー、時にはギターの弾き語りでステージに立ったり、交流のあるアーティストに自ら声をかけ、音楽イベントを企画、開催している中学2年生のドラマー岡﨑蓮次郎さん。「僕は音楽で誰かの心に寄り添いたい」と能登半島地震の避難所でも安らぐひとときを届けている。
“音楽のチカラ”を信じて

2月10日、富山市のカフェで開かれたチャリティーライブ。
大阪から訪れたシンガーソングライターのバックでドラムを演奏していた、富山市の中学2年生、岡﨑蓮次郎さん(14)。
ドラマーとしてステージに立ったり、交流のある県内外のアーティストに自ら声をかけ、音楽イベントを企画、開催している。

岡﨑蓮次郎さん:
「2番手は岡﨑蓮次郎、やらせていただきます!」
半年ほど前からは、自身が作詞作曲した曲をギターの弾き語りで披露するなど、活動の幅を広げている。
石川県から訪れた観客:
「ちょっと自分に重ねたり、周りのことに重ねたりして、涙が止まらなかった。ウソのない、自分で紡いだ歌詞と歌が心にすーっと入ってきて、すごく良かったです」
岡﨑蓮次郎さん:
「『ずっと笑顔になれなかったけど笑顔にする』チカラが音楽にはあるんだなって最近ずっと感じています」
尊敬する大人たちの背中をみて

蓮次郎さんがドラムを始めたのは小学4年生のとき。初めてにも関わらず軽快なビートを刻み、周りの大人を驚かせた。その後、落ち込んだ時、応援するアーティストの曲に度々救われ、自分の音楽でも誰かを支えたいと思うようになったという。
岡﨑蓮次郎さん:
「もともと両親がよく色んなライブに連れて行ってくれて。すごく尊敬する大人たちの背中をずっと見てきて行動力も身に着きました」
そんな蓮次郎さんを家族も応援している。

父・陽一さん:
「できることは限られていますけど、できる範囲で手伝っている。やりたいことを自分で見つけたっていうのがすごく嬉しくて。それを応援するのがいちばん楽しい時間」
1月、蓮次郎さんにとって、音楽のチカラを改めて実感する出来事が起きた。
音楽のチカラで平和な優しい世界を

岡﨑蓮次郎さん:
「石川県ですごく困っている方々が多くて、少しでもそんな方の心に寄り添えたらなって。力になれたらいいなって思って」
1月下旬、能登半島地震で大きな被害を受けた輪島市で、炊き出しのボランティアを行った蓮次郎さん。避難所では、知人から借りたギターで急遽ミニライブも開いた。
岡﨑蓮次郎さん:「ライブをさせていただいているときに目の前でひとりのおばあちゃんが泣いていました。ライブが終わったあと、駆け寄って話を聞いたら、おばあちゃんは話してくれました。『この地震で、いとこが2人亡くなってしまった。それからずっと明るい気持ちにはなれなくて、ずっと暗い気持ちのまま過ごしていた。でも、蓮次郎くんの歌を聞いたら、少し明るい気持ちになれた。また会おうなんて言葉は怖くて信じられないけど、また蓮次郎くんに会えるようにわたし頑張っていきます』そう言ってくれて、僕は本当に嬉しくて。僕も石川県の方々にまた会えるように音楽をがんばりますって約束して、今日もこうやって音楽をやらせていただいています。僕は音楽で誰かの心に寄り添いたいなってずっと思ってます」
14歳の若きドラマー、岡﨑蓮次郎さん。
「音楽のチカラで平和な優しい世界をつくる」
夢を追って、これからも活動を続ける。

岡﨑蓮次郎さん:
「(音楽には)お腹を満たしたりとか、そういうチカラはないんですけど、笑顔になれたり明るい気持ちになれたり、ずっと流せなかった涙を流せたり。そういうことが音楽にはできるんじゃないかなと思ってます。とにかく今みたいにずっといろんな場所で音楽を届けるのがいま1番好きなので、ずっとこれからもこんなことをしていきたいなと思っています」
(富山テレビ)