生け花の腕を磨く高校生にとって、香川は「聖地」であることをご存じだろうか。「全国高校生花いけバトル全国大会」の開催地・香川代表の高校生が、新しい観点で県産の花の魅力を伝える。
高校最後の出場「全力で自分らしく」
2メートルほどのロウバイをはじめ、季節の花や木を手際よく生けていく、丸亀市の飯山高校3年の秦風花さん(18)。わずか5分で、今すぐ学校の玄関に飾れそうな作品に仕上げた。
この記事の画像(7枚)秦風花さん:
使いたかったのはロウバイとタケだった。タケを入れると、力強い感じがして好き
秦さんは、2月4日の「全国高校生花いけバトル全国大会」に香川の代表として出場。チームを組む同級生の黒川愛夢さん(18)と3年連続の出場になり、今回、初めての優勝を狙う。
秦風花さん:
高校3年で最後の年で、プレッシャーや緊張も大きいが、最後だからこそ全力で楽しみ、自分らしくやりたい
開催地・香川の花の魅力を伝えたい
大会では、5分間、2人1組で花を生け、その過程と作品が審査される。全国113校260チームのうち、地区大会を勝ち抜いた11校で闘う。大会の舞台は2017年のスタート以来、毎年、香川となっている。
香川県農業生産流通課の塚原亜紀主任によると、この大会は「若い人にもっと花に親しんでもらいたい」との思いから、県内の生産者などが中心となって始めたという。
日本一面積の小さい香川は、農地面積が全国40位。農地が限られている分、農作物は品種改良やブランド化で勝負してきた。
例えば、独自に品種改良したラナンキュラスは、出荷量全国2位を誇る。小ぶりな花であり、ギフト用のアレンジメントやブーケとして使われるという。
県産の花材を中心に準備しているこの大会も、付加価値を高める戦略の一つだ。塚原主任は、「高校生が新しい観点で生けることで魅力が伝わる」と狙いを語った。
携わる人へ感謝の気持ちを
全国大会出場が常連の飯山高校。「生産者や会場を準備してくれる人がいるからこそ、全力で楽しんで花生けができる」と話す秦さん。「感謝の気持ちを伝えられたら」と大会に臨んだ。
華麗に闘う香川の花。大会は2月4日に高松市のレクザムホールで開かれ、秦風花さんと黒川愛夢さんのチームが優勝した。
(岡山放送)