ドアノブを触ろうとしてビリッ!物を渡そうとしてビリッ!冬の時期に悩まされる静電気。発生しやすい環境は?そして対処法は?静電気について深掘りする。

湿度と深く関係

千葉大学大学院・融合科学研究科情報科学専攻の星野勝義教授によると「湿度60%以下」では物質の表面に静電気ができて、「60%以上」になると静電気は逃げてしまうという。

湿度60%がポイント 
湿度60%がポイント 
この記事の画像(8枚)

夏場は湿気が多く、物の表面にも大気中にも水分が多いので静電気の発生を抑えるが、湿気が少ない冬場は物も大気も潤いが足りず静電気が発生し「ビリッ」と感じてしまう。

冬場はあらゆるものが乾燥
冬場はあらゆるものが乾燥

乾燥肌だと発生しやすい?

では静電気が発生しやすい体質というのはあるのか?星野勝義教授は「皮膚の表面がうるおいやすい人が、静電気が発生しにくい体質になるかと思う」と話す。やはり「冬場の乾燥」が、静電気をもたらす大きな要因となるようだ。静電気を防ぐためにも、しっかりとした保湿などが大切になってくる。

静電気が嫌な人は保湿もお忘れなく
静電気が嫌な人は保湿もお忘れなく

衣類の組み合わせにも注意

静電気をおこす要因は「乾燥」に加え、もう一つ「衣服の重ね着」が挙げられる。
重ね着をすると、服同士の摩擦が多く生じて静電気が発生しやすくなる。上手にコーディネートして静電気を防ごう。

《問題:静電気がおきにくいのは?》
A.ポリエステルのシャツとナイロンのシャツ
B.レーヨンのニットとウールのマフラー

さらにもう一問!
A.ポリエステルのシャツとナイロンのシャツ
B.綿のシャツとポリエステルのジャンパー

どちらも正解は…B

綿×ポリエステル ポリエステル×ナイロン レーヨン×ウール どれが静電気が発生しやすい?
綿×ポリエステル ポリエステル×ナイロン レーヨン×ウール どれが静電気が発生しやすい?

プラス・マイナスの偏りをなくす

理由を説明する前に、まずは静電気の仕組みから紹介。物体には、プラスの電気とマイナスの電気が同じ量ずつ含まれている。バランスよくあればいいのだが、物体を擦り合わせて摩擦が起きたときに、プラス電気が多くなったり、マイナス電気が多くなったりすると静電気が発生してしまうという。なので、静電気の発生は「服の素材の組み合わせ」によって左右される。

摩擦でプラスの電気・マイナスの電気が偏ると静電気が発生
摩擦でプラスの電気・マイナスの電気が偏ると静電気が発生

プラスの素材とマイナスの素材

アクリルやポリエステルはマイナス電気が多く、絹やナイロンなどはプラスの電気が多い。
先ほどのクイズにあった「レーヨンのニットとウールのマフラー」はプラスが多い素材なので、静電気が生じにくい。「綿のシャツとポリエステルのジャンパー」はマイナス同士なので静電気が生じにくいということになる。
一方で「ポリエステルのシャツとナイロンのシャツ」は対極にあるので、静電気が生じやすい。

同じ電気を持つ素材だと静電気が発生しにくい
同じ電気を持つ素材だと静電気が発生しにくい

その他の対策

服の組合せ以外にも様々な対策がある。「市販の静電気防止剤」は、スプレーするだけで一時的に静電気を抑えられる。また、クリーニング店に「帯電防止加工」をしてもらうことも有効。さらに、新品の物は1回やさしく洗濯するかクリーニングしてから使用すると少し落ち着くことがあるそうだ。
ドアノブを触る前に金属ではない壁を触ると静電気をゆっくりと逃がすことができる。

グッズやクリーニングなども有効に活用してバチッを防ごう!
グッズやクリーニングなども有効に活用してバチッを防ごう!

少しでも「バチッ」とくる静電気を無くすため、服の組み合わせや対策を参考にしてみてほしい。

(福島テレビ)

福島テレビ
福島テレビ

福島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。