いよいよ、21日夜開幕する「全日本フィギュア」 。
王者・宇野昌磨(うの・しょうま)選手(26)は、“憧れの人”を追いかけ、磨きをかけた“表現力”で6度目の頂点を狙う。
“氷上の日本一決定戦"全日本フィギュア選手権を前に、紫色の衣装を身にまとってリンクに現れた宇野昌磨選手。
ショートプログラムの曲をかけながら、4回転フリップなどすべてのジャンプを着氷、“ノーミス”で演じきった。

20日夜行われた滑走順抽選会では、選手たちがスーツに身を包み着席。
宇野選手は2列目に座ろうとするが、鍵山優真選手(20)が「いやいやいや! 一番前にお願いします」など、後輩たちに促され1列目のセンターへ。
きらびやかなラメ色ののスーツ姿で、くじ引き。30人中、29番目に滑る。

宇野昌磨選手(12月20日):
全員が最善を尽くして最高の試合ができたうえで、いい順位が取れたらなとうれしいなと思っています。
世界選手権2連覇。 全日本で優勝すれば、羽生結弦(はにゅう・ゆづる)さん、浅田真央(あさだ・まお)さん、高橋大輔(たかはし・だいすけ)さんと並ぶ6度目となる。
しかし世界選手権を連覇した演技に、宇野選手はまったく満足していなかった。

宇野昌磨選手:
もう一度見たいと思わない演技だなというのは痛感してましたので。やっぱり自分が本当に満足したい演技をしたいので。このままフィギュアスケート人生、競技人生終わるのは嫌だなというのは、あの演技で終わりたくないというのはあります。
自分らしい演技ができなければ、意味がない。
小学6年(当時12歳)の宇野選手を取材した際の映像がある。

弟と一緒に野球に興じたかと思えば、今度は公園の周りを走り回り、さらにマンションの階段をのぼったり降りたり… いっときもジッとしていない。
そんな宇野選手が、ジッと真剣に見入っていたのは、憧れの選手の演技だった。

宇野昌磨選手(当時12歳):
高橋大輔選手。何回見ても、すごいなって毎回思います。
昌磨少年が憧れていたのは、6度、全日本の頂点に立った(アイスダンスを含む)高橋大輔(たかはし・だいすけ)さん。
その思いは、今も変わらない。

宇野昌磨選手:
高橋大輔さんの演技には、小さい時ながら本当に感動させてもらって、“自分もあんな選手になりたい”って思ったのに、ジャンプだけを頑張って練習する選手になっている自分が嫌だなっていう。
高橋さんのように、ジャンプだけでなく、見る人の心に残るような演技をしたい…。
自分の理想の演技を求めて、今シーズン目指すのは、“100%の宇野昌磨”。

宇野昌磨選手:
ジャンプにも、表現にも、スピンにも、すべてに100%の力を注いだ演技をしてみたいですね。
そんな王者を脅かす存在が、北京オリンピックで宇野選手を上回り、銀メダルに輝いた鍵山優真選手。
先月のグランプリシリーズNHK杯でも、宇野選手を退けて優勝した実力者が歩んできたのは、「パパと同じ道」。

鍵山優真選手(当時6歳):
パパがオリンピックに出て…スケート始めようかなと思いました。

オリンピックに2度出場した父・正和(まさかず)さんと“同じ夢”を追いかけ、親子二人三脚で技を磨いてきた鍵山選手。

今年、“表現力”を高めるため、オリンピック銅メダリストのカロリーナ・コストナーさんに指導を仰いだ。
鍵山優真選手:
本当に生まれ変わった自分を皆さんに見せたいなと思っています。
表現力が鍵を握る大会が今夜、幕を開ける。

宇野昌磨選手:
もし僕に“期待をしていただける感情”があるなら、 もう好きなだけ期待してほしいです。
(「イット!」12月21日放送より)
全日本フィギュア2023
フジテレビ系列で21日夜から4夜連続中継