19日午前10時過ぎ、安倍派と二階派の事務所に東京地検特捜部の強制捜査が入りました。

新たな局面を迎えた自民党の“裏金問題”。
そんな中、安倍派の会計責任者が、パーティー収入について政治資金収支報告書に「記載しなければいけないことは分かっていた」と説明していることが新たにわかりました。

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関係者によると、二階派の会計責任者もパーティー収入の一部不記載を認めており、特捜部は、派閥主導で事実上の「裏金化」が行われていた疑いがあるとみて、調べを進めています。

過去類例をみない“最悪の事件”

個人ではなく、派閥全体で取り組んでいるという構図が見えてきた中、サヘル・ローズ氏は「憤りを感じる」と話します。

サヘル・ローズ氏
サヘル・ローズ氏

サヘル・ローズ氏:
憤りという言葉が最初に感情として強く出てきますし、会計責任者と書かれていますが、会計責任者の単独というよりは、その上で誰が実際に指示を出していて、さらにもっと上の目に見えてこない人たちのことも考えないと、
じゃあ(誰かが)責任とって終わらせるではないですよね。国民のことをどう考えているのかという憤りが。

政治と金に詳しい日本大学名誉教授・岩井 奉信氏も、今回の問題を、今までの政治資金問題と比べても“最悪”だといいます。

日本大学名誉教授・岩井 奉信氏
日本大学名誉教授・岩井 奉信氏

岩井 奉信氏:
よくリクルート事件と比較されますが、しかしリクルートの時は法の不備があったんだけども、今回の場合は、明らかに法律違反を組織的にかつ長い間やっていたということであれば、政治資金の問題の中で“最悪の事件”だなと思います。

――政治資金規正法はザル法といわれがちですが、そこまで大きなザルではない?
そうですね、不記載いうことはそもそも法律違反ですから、そうすると法律違反をわかっていてずっとやっていた、それから人数の規模も過去に類例をみない、最悪の“政治とカネ”の問題だと思いますね。

「政治資金報告書に記載しなければいけないと分かっていた」と話している会計責任者。この発言は今後の捜査にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

元東京地検特捜部副部長 若狭勝弁護士:
結論からいうと、特捜部からするとこれは非常に大きないい証拠、供述を得たということになると思います。この案件は2段階で考える必要があって、まず第1段階で派閥側の会計責任者がしっかりと悪いことをしたということを認めて、いつ・いくらキックバックをしたのか。その分どういう形で不記載にしたのかを、会計責任者の限りで、事実認定をしっかりとするということ、第2段階として、政治家が不記載について関与していたかどうか。

まずは、第1段階で派閥側の会計責任者が事実を認めて、悪いことをしたと言っているならここはほぼクリアされ、次は第2段階という。その為に、捜索したりさらに今後責任追及をしていって、派閥側の事務総長1人くらいは禁錮刑という形で起訴したいという思いで捜査をしていると思います。

――安倍派の悪質性についてはどう思いますか?
岩井 奉信氏:

とにかく規模が大きい。例えばパーティー収入を比較しても、麻生派の倍くらいメンバーがいるわけで、にもかかわらず収入は麻生派の半分以下だった。誰が見てもこの数字はおかしいじゃないかと前々から言われていたんです。それが裏金みたいになっていたと。そうなるとこれはもう派閥ぐるみで、かつ、長い間やっていたらしいとなりますよね。捨て置ける話じゃない。
じゃあ安倍派だけの問題なのかというと、パーティー券ということの問題なら、自民党全体でもあるし、野党もパーティーはやっていますから、日本の政界全体の問題だという認識をしなくてはいけないと思います。
(めざまし8 12月19日放送)