新型コロナウイルスの影響で客が減った沖縄・那覇市の商店街が、あるユニークな方法で売り上げの確保に努めている。その方法はデジタル技術!

マチグヮーを守ろうと4人の女性が立ち上がった。

人と人が相対し、昔ながらの雰囲気が漂う牧志公設市場周辺や平和通り周辺のマチグヮー(市場)。

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そのマチグヮーは新型コロナウイルスの影響で客足が遠のき、売り上げが落ちて以前よりも活気が無くなっている。

津覇商店・津覇綾子さん:
本当にゴーストタウンですよ

その窮地を救おうと立ち上がった人たちがいる。

オンラインストア“マチグヮーストア”を開設

津覇商店・津覇綾子さん:
お店をつぶしたくない。みんな商店街をつぶしたくないというのがあって

牧志公設市場の近くにある食器店、津覇商店店主の津覇綾子さんは、このマチグヮーを救いたいと同じ志をもった仲間3人に声をかけ、オンラインストア“マチグヮーストア”を開設した。

津覇商店・津覇綾子さん:
商品からお店を知ってもらって、こんな物を売っているお店があるんだということを知ってもらいたい。またここに足を運んでもらう

6月20日から開設したオンラインストアには、菓子店や精肉店などが手がけるこだわりの商品約30種類以上が販売されていて、県の内外から注文が入っている。

中には、スーパーマーケットでは取り扱っていない紅型(びんがた)柄の風呂敷など、マチグヮーならではの商品もあり、売り切れている商品もある。

金城忍さん:
「こんな商品売っているところがあるんだ、じゃあ今度行ってみよう」みたいな。実際やってみたら本当にそういう声があって

マチグヮーストアでは、オンラインで注文が入ると4人が自ら商店街を歩いて商品を購入し、包装や発送作業まですべて行う。
“デジタルとアナログが混ざりあっている”ことがマチグヮーならでは。

池原タオル・池原明代表取締役:
これでまた(認知度が)広がって、またお客さんが来てくれて、県内の方も来てくれたら良いんじゃないかなと思っています

「絶対につぶしたくない」老舗も多いマチグヮー

新型コロナウイルスの影響を受けた商店街に人通りが全く無くなったことで気づいたことがある。

津覇商店・津覇綾子さん:
本当は地元のお客さんのためのお店ってたくさんあるんですけど、そこがどんどん隠れてしまって観光メインになってて。それに気づいてコロナで結局観光がいなくなったとたんに誰もいないゴーストタウンみたいに一時期なったので、それでちょっとやばい、これ本当につぶれると思った

マチグヮーには、子や孫の世代まで引き継がれている老舗も多い。

金城忍さん:
実は60年以上の老舗なんですけれども、今3代目の若い女の子が実はやってて

外間製菓所3代目・外間有里さん:
人よりハトの方が多かった。こういう機会で(お店や商品を)知ってもらえるとうれしいなと思います

こうした老舗が多くあることもマチグヮーの魅力の一つで、絶対につぶしたくないと話す。

津覇商店・津覇綾子さん:
自分のお店も70年くらいたつんですけど、そういったお店が本当にいっぱいあって、そういったものが無くなっていくのが寂しいので。皆も力をあわせて頑張っていけたらなと

スーパーやコンビニとは違った魅力も

また、マチグヮーにはスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどにはない違った魅力があると話すのは、10年前に大阪から移住してきた畑井モト子さん。

大阪出身・畑井モト子さん:
人と人のつながりというのがマチグヮーは色濃く残っているので、実際に来てもらったら、きっとそういうつながりっていうのを感じてもらえると思うので

人と人のつながりが魅力的なマチグヮーは、いまだ5割から6割ほどしか営業を再開していない。

金城忍さん:
7月初旬になって、開いているお店が半分超えたくらいですね。あそこも空き店舗になって

それでも4人はこのピンチを乗り切ろうとオンラインで商品を発信し続けている。

当面はこのマチグヮーストアを通して活動を続け、コロナが収束したら人と人が相対するにぎやかな商店街にしていくことが一番の願い。

津覇商店・津覇綾子さん:
これをきっかけにお客さんが、地元のお客さんも県外のお客さんもマチグヮーに来てもらえたらなと思っています

(沖縄テレビ)

沖縄テレビ
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