いま、全国で相次いでクマが出没し、そして人的被害も増えています。
その対策のため、新たな技術が導入されました。その名も、“クマ撃退カメラ”

音に驚き一目散に逃げるクマ
音に驚き一目散に逃げるクマ
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“クマ撃退カメラ”が捉えた映像には、犬の鳴き声のような音に驚き、一目散に逃げていくクマの姿が映っています。

この画像認識AIを搭載したカメラを研究開発した、会津大学の齋藤寛教授は、“クマ撃退カメラ”の仕組みと効果についてこう話します。

会津大学 齋藤寛教授:
こちらがクマやイノシシなどの害獣を検出して、音や光を出して近くにいる人に警報するという装置です。

AIには、クマやイノシシなどの画像を読み込ませており、クマが出没した場合、装置が感知すると光や音を発するそうです。

クマの写真で、AIの検知テストをしてみると…

会津大学 齋藤寛教授:
この(クマの)画像でですね、テストしてみたいと思います。

クマの写真をカメラの前にかざす
クマの写真をカメラの前にかざす

クマの写真をAIカメラに近づけると…。

ランプが点灯し、警報音が鳴り響く
ランプが点灯し、警報音が鳴り響く

♪警報音「ガーガー」

ランプが点灯し警報音が鳴り響きます。
警報音は、犬の鳴き声など14種類の音がランダムで鳴る仕組みで、光は約40秒間点灯するようになっています。

14種類の音がランダムに鳴ります
14種類の音がランダムに鳴ります

今年9月、AIカメラに捉えられた人里に近づいていたクマは、この音と光に驚いたのか、森の奥へと去っていきました。

音と光に驚き去って行くクマ
音と光に驚き去って行くクマ

さらに、この装置には優れているところがあります。

会津大学 齋藤寛教授:
約360度動くことができるカメラです。もしクマなどが映ってましたら、カメラはクマに合わせて追跡しようと試みます。

クマなどを検出すると、カメラが自動的に追跡するといいます。
実際にカメラが5頭のイノシシを捉えると、一頭一頭のイノシシの動きに合わせて、カメラは自動で追跡しています。

会津大学 齋藤寛教授:
クマなどがどちらの方に行ったか、そういったところまで確認することができるようになります。

さらに検出した情報は、事前に登録した近隣住民に対し、最速1分ほどでメールが届くということです。

会津大学 齋藤寛教授
会津大学 齋藤寛教授

会津大学 齋藤寛教授:
(クマなどの)追い払いに関して言ってしまえば、正直言うと、今以上の取り組みが必要だと思っていまして、におい、いわゆるクマスプレーとか、唐辛子というか、カプサイシンとかのにおいとか(を出す機能を)考えてもいいのかなと思っております。
(めざまし8 11月22日放送)